エビ飼育あれこれ目次へ戻る

二種類あるミゾレヌマエビ目次に戻る


ミゾレヌマエビとヌマエビ南部群の見分け方

観賞魚店でお馴染みの通称“ミゾレヌマエビ(正体はヌマエビ南部群)”と、
全く知名度のない本当のミゾレヌマエビの見分け方です。
見分け方というよりは、単純に両種の模様の特徴の紹介です。
両種類を見れば、混同の原因になる部分はないのがわかります。


商品名“ミゾレヌマエビ”で知れ渡っているヌマエビ南部群。
見分け方というよりも、こんな特徴のエビは、
本当のミゾレヌマエビではなく、ヌマエビ南部群だというだけです。
アクアリウムからエビに入ったエビ飼育者がまず避けられない「はしか」です。

ヌマエビ南部群の特徴
ヌマエビ南部群は、雄と雌で大きな模様の違いがありません。
(メスではこれに腹節下部部分に
スジエビのと似た放射状の線が入る場合もあります)
下の図はヌマエビ南部群の代表的な特徴を書き加えたものです。

・茶色い模様部分は、赤茶色から黒褐色、黒色までの幅があります。
・「ミ」の字模様は、破線状だったり、点の並び程度であったりもしますが、
斜めに流れる位置自体には大きな変化はありません。

ミゾレヌマエビ(本物)の特徴
本当のミゾレヌマエビの大きな特徴は、眼から下に涙が流れるような線と、
その線が下に達した所から跳ね上がる様に斜め上に伸びるもう一本の線です。
ボールが一回跳ねたような模様から、個人的に「
ワンバウンド模様」と呼んでいます。
オスとメスの大きさが随分と違い、オスは小さくて透明なだけのエビです。

・模様部分の色は個体差や日常的な変化が大きいです。
ただ、位置は常に一緒です。
・ミゾレヌマエビの大型の雌は、しばしば赤い体色になります。

参照⇒【
ミゾレヌマエビの大型個体の体色

その他、たくさんの写真がエビギャラリーにありますので
「ヌマエビ南部群」「ミゾレヌマエビ」の項目を参考にしてみて下さい。

 

2007/07/28

 

◆もっと詳しく特徴を見てみました。⇒【ミゾレヌマエビの模様の特徴2007・11・06追記

◆ヌマエビ南部群が所属する「ヌマエビ属」と、本物ミゾレヌマエビが所属する「ヒメヌマエビ属」。
その大きな違いである“外肢の有無”。
この外肢の有無を見れば、簡単に「ヌマエビ属!」と判ります。参照⇒【ヌカエビの外肢2008・02・23追記

 


目の角度で見分ける

やや裏技的かもしれませんが、
目の飛び出し角度で見分けるのも簡単かもしれません。

ヌマエビ南部群(ヌマエビ属)

販売名としての“ミゾレヌマエビ”(ヌマエビ南部群)は、
目がほぼ真横に出ています。
同じ属内のヌカエビ(ヌマエビ北部-中部群)も似た特徴を持っています。
(ヌマエビ北部-中部群のほうがかなり離れ目ですが)

ミゾレヌマエビ(ヒメヌマエビ属)

本当のミゾレヌマエビは、45°とまでは行きませんが、
かなり前を向いて目が生えています。
眼柄も太いです。

参考 シナヌマエビの一種(雑種)(カワリヌマエビ属)

“ミナミヌマエビ”として売られていたエビの子孫(外国産近縁種と思われる)。
かなり額角が長いタイプです。
この“ミナミヌマエビ”の仲間も、目は前向きの角度で飛び出ています。
純日本産種ミナミヌマエビは本物ミゾレヌマエビと同じ程に額角が長く、
目の角度も似ているのでミゾレヌマエビと混同しやすそうです。
両種とも眼上棘がないのも共通ですから、なおさらです。
ミゾレヌマエビの本物・偽物自体は、互いに似ている部分は少ないです。

参考 シナヌマエビの一種(雑種)(カワリヌマエビ属)

同じく“ミナミヌマエビ”として売られていたエビの子孫(外国産近縁種と思われる)の
額角が短いタイプ。
前向きの角度で生えている目は共通。
眼柄も太い。

2007/09/13


ミゾレヌマエビの写真での解説も作りました⇒【ミゾレヌマエビのワンバウンド模様new!
下記は写真のない時代&ヌマエビの新しい分類を知らない時代の窮余の策ですが、
合わせて御覧になると、より分かり易いと思います。(
追記2007・05・24)
ちなみに、「不透明タイプのヌマエビ」はヌマエビ大卵型(現在はヌマエビ北部-中部群)なようです。
参照⇒【
新しくなったヌマエビ属の分類

本当のミゾレヌマエビを採集して、たくさん写真を撮りましたので参考にしてみて下さい。
エビギャラリー←ここのミゾレヌマエビの項目です。
そして、「ヌマエビ南部群」の項目にあるのが“商品名のミゾレヌマエビ”です。
比べてみると、全然似ていない事が良く分かります。(
追記・2007/07/21)


※以下は、ヌマエビ(南部群)とヌカエビ(ヌマエビ北部−中部群)が混乱していた頃の記事。
現在、ヌマエビとヌカエビは別種。ヌマエビ大卵型という概念は消滅。(2010/08/08)

 

ミゾレヌマエビとヌマエビの見分け方

本当のミゾレヌマエビと、ミゾレヌマエビと混同されやすい透明タイプ(南部群と呼ばれる)のヌマエビとの、
頭胸甲の模様の規則性からみた識別方法です。
ヌカエビと区別できないような不透明タイプのヌマエビは含んでいません。
“ミゾレヌマエビ”“キャメルシュリンプ”とされる事の多い透明なタイプのヌマエビのみです。
他の見分け方もありますが、この模様での見分け方が一番楽で、重宝しそうです。
額角の長さなどその他の見分け方はこちらが参考になるかも⇒二種類ある“ミゾレヌマエビ”
ここと合わせて判別していくとさらに良いかもしれません。

 

ミゾレヌマエビの模様の特徴

ミゾレヌマエビには、頭胸甲の横に、
オレンジ〜赤褐色の太くて大きい「V」マーク(逆さハの字)があります。
これが非常に良く目立つので、これを使って見分けるのが容易かと思います。
毛筆で、目から後ろ斜め下に向かって一本スーッと引き下ろし、
足の付け根に達した所から、今度は後ろ斜め上に向かって引き上げる。
これで「V字」、もしくは「逆さハの字」の模様になります。
後ろから投げたボールがワンバウンドして目に入った。そんな軌跡にも見える模様です。
前側の一本は、喉元のラインと平行に目から斜め下に伸びます。
後ろ側の一本は、黒い内臓の後端に沿って上がります。
このような模様を持つ、似たヌマエビ類は、とりあえず見掛けませんので、
有効に使えると思います。

※ヌカエビの画像に加筆してみました。
以下の画像も元画像はヌカエビ。(透明で都合が良いので)

参考にさせて頂いたページ

頭胸甲のV字模様に注目です。
ミゾレヌマエビの基本イメージは「後ろから投げたボールがワンバウンドして目に入った」です。

http://stay0329.fc2web.com/gallery.htmBREEDING LIFE
オレンジ色のV字模様がくっきり。ワンバウンドな軌跡がよく見えます。
※繁殖にも成功されています。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~palaemon/atyidae.htm
ヌマエビも含まれていそうです。(ヌマエビの模様については後述)

http://www2.fish-u.ac.jp/LAIZ/topics/tansui/tansui1.html
小さい画像なのでかなり微妙ですが「V字」の後ろ側一本が内蔵に沿っています。

http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/C.leucosticta.htmlkenken's HP
左側の個体には「V字」が確認できます。右の個体はやや薄いですが、あります。

http://www.gyobu.jp/org/mizorenumaebi.html
白濁している感じですが、ワンバウンドの軌跡は細く健在。

http://ebikaniyado.hp.infoseek.co.jp/kani/ebi04.html
プラケースに入っているからか、かなり体色が薄いですが「V」字は存在します。

http://www3.ocn.ne.jp/~tangyo/zukan-gyokairui-ebi.html
標本になってしまうと「V字」は消えてしまうようです。
エビの研究者が棘の数などでエビを同定する理由はこの辺にあります。
詳しくは【水際喫茶室】「ビーシュリンプに学名がつかない理由」が楽しいです。
http://osampo1.hp.infoseek.co.jp/shrimp/bee_namae.htm
しかしこれは、色彩や模様で判別する方法がまるで確立されていない理由とも云えます。
逆に言うと、基本的に生きたエビしか見ない「エビ飼い」には模様は重宝します。
目の前でツマツマしているこのエビが何エビなのか!ですから、
生き生きした色彩を目の前のガラス越しに見た判断の方が重要です。
捕まえて顕微鏡の下に張り付けたら死んでしまいますから、
それ以前の元気な状態のままで種類を確定したいわけです。

明瞭なV字模様が頬の部分にあれば、ミゾレヌマエビである率はかなり高いと思います。
逆に、この「V」字模様が無い“ミゾレヌマエビ”は、まずヌマエビだと思います。
ただ、これは雌における識別には有効ですが、雄に対して当てはまるとは言い難い面も感じます。
ミゾレヌマエビの雄の画像がそもそもあまり存在しないですし、
有っても、内蔵以外がほぼ透明な小さなエビという状態。特徴が「透明」だけのエビ。

雄のミゾレヌマエビ

http://www.mtt.sytes.net/yuki/osakanasan/nittan/ebi.htm
ヌカエビ同様に雌の背で脱皮を待っている状態なのか?
ヌマエビの雄のスッキリした体型とは違い、
顔が長く、ちょっとお尻が大きい感じはあり、やや不恰好。

http://www.c-spice.co.jp/html/img/kiji/2004/G170570000000804_vw.jpg(中国新聞)
雄は見事な透明度。
目の下の線はくっきりですが、そこからはねる後方の一本がやや不明瞭か。

追記2006・03・04)
このページを見て下さった「BREEDING LIFE」のstayさんから、
「雄のミゾレヌマエビの写真を載せました」というお知らせを頂きました。
※貴重な写真をわざわざアップして頂きました。ありがとうございました。(世界的にも数枚)

http://stay0329.fc2web.com/gallery.htmBREEDING LIFE
一本の背腸に目が二個ついただけのようにも見える、見事に透明な雄。
ヌマエビにある斑点や線、色素といったものが、全くと言っていいほど見当たりません。
鼻先も長い為、顔だけ見てもヌマエビとは雰囲気が異なります。
懸案は「V」模様です。
以前の写真でも目の下のラインは見えるのですが、胴体側の後方の線は確認できませんでした。
この大きな画像だと、若干ですが、背腸の一番凹んだ付近の下に「V」字の片割れがあるように見えます。
極めて薄く見えにくいですが、下に掲載したイメージのような感じの位置に細い線があるように思えます。

http://f13.aaa.livedoor.jp/~hashang/photo/small.htm
「メモ」に入れておきながらすっかり忘れていましたが(^^;
こちらにある写真も雄のミゾレヌマエビだと思います。
この写真にも背腸の一番凹んだ部分から斜め前に向かって点線状の線が見えます。
目の下の線と合わせれば、いちおう「V字」は完成します。

雄のミゾレヌマエビの模様のイメージ。(実際にはもっと線は薄く不鮮明です)
目の下の線は、やや太く、目から胸脚に達します。
後ろ側の一本は非常に細くて薄いです。(ほとんど点線)
デジカメの拡大写真なら分かるというだけで、
肉眼での確認は恐らく無理だと思います。(高倍率のルーペを使えば見えると思いますが)
内蔵をかすり、背腸の一番凹んだ部分に達するように入っています。

雄にも「V字」もしくは「逆さハの字」は一応健在なようです。(いちおうですが)
それ以前に、ここまで透明なだけの「ヌマエビの雄」が居ないと思われるので、
鼻先の長さと透明度で、ミゾレかヌマか区別は付くと思います。

参照⇒【ヌマエビ・ギャラリー01
雄のヌマエビの写真です。透明度は高めのエビですが、
ミゾレヌマエビの雄のあきれるほどの無色透明っぷりから比べれば、
濁っているように感じます。

参照⇒【おなじみの通称“ミゾレヌマエビ”の特徴】【ヌマエビ・ギャラリー02
成長した個体はミゾレに比べたら「極彩色」といってもいいくらい、色・模様が豊富になります。

 


 

ヌマエビの模様の特徴

ヌマエビ「南部群」(ミゾレヌマエビと混同されやすい透明タイプ)の模様の規則性を見つける事が出来ました。
ミゾレヌマエビとの混同を避けるのに有効かと思います。
ただ、ヌマエビ(Paratya compressa compressa)には地域的な変異はとても多いと聞きますので、
“ミゾレヌマエビ(Caridina leucosticta)”と混同されがちな透明度の高いタイプのヌマエビを、
混乱から抜き出す事が出来るかもしれない、くらいの参考に思って頂けると良いかもしれません。
(個人的にはもう「これさえあればミゾレ問題は全然恐くない」レベルで使ってますが^^;)

ヌマエビの模様の規則性 その1

「ミ」の字の三本線

ミゾレヌマエビと混同されるヌマエビの最も特徴的な模様は「ミ」です。
頭の後ろから後方斜め下に向かって猫に引っ掻かれたような三本の引っ掻きキズです。

頭胸甲の中心部辺りから後方やや斜め下に向かって黒い線が三本入ります。
真ん中の一本が一番太く濃い線になっています。
まずこの線を探します。頭胸甲の中心よりやや後ろ、黒い内臓が尾を引くようなかたちで存在します。
その上下に「ミ」の字のようにほぼ等間隔を置いて細めの線が入ります。
上の線は背中の凹みの下辺りにあり、頭胸甲と腹節を跨いで斜め下に伸びます。
下の線は、頭胸甲の下側を縁取る様に後ろへ伸びています。
上と下の線は不連続な破線となっていたり、かなり細くなっている場合もあります。

猫に引っ掻かれた傷が浅くてミミズ腫れにカサブタが出来た程度の場合も多いです。
時には細かい点が星雲のように存在するだけという場合もあります。

しかし、その配置は「ミ」に従っていて、線と線の間や上下に曖昧に置かれる事はありません。
線と線の間には、間があって、そこにはほとんど点が配置されず模様が抜けています。

上下の線が曖昧な場合でも真ん中の一本はかなり強く残っています。
雄のヌマエビには真ん中の太い線のみが残り、ほとんど無色透明な体色の個体が見られます。

この一本のみが、同じく透明なミゾレの雄との見分けの頼みの綱ともなりそうな個体もあります。

ヌマエビ南部群と思われる個体達は、この「ミ」の破線化が強いタイプと解釈して良さそうです。
一見、斑点が不規則に並んでいる様に見えますが、各斑点は「ミ」の上に並んでいます。
我が家に存在する個体も非常に破線化が著しいですが、細かい点や破線は「ミ」に沿って置いてあります。

 

ヌマエビの模様の規則性 その2

三つの斑点

やや「ミ」模様があやしいタイプや雄の個体にも共通なもう一つの特徴が「三つの班点」。
前側角部付近に一つ、その下方に一つ、その後方やや上の内蔵のちょっと下に一つ。
喉元付近にあるこの三つの斑点が、透明系ヌマエビには共通して見られる特徴です。

この三つの斑点のうち、前の二つと、内蔵のちょっと下あたりにある一つでは、
色素や色素胞のある深さが違う様で、前の二つは黒っぽく、残り一つはやや茶色いです。

黒っぽい二つは深いアザのようにボーッとして明瞭でない場合も多いです。
やや茶色いほうは、「ミ」模様と同じ種類の色をしています。
この一つは、どの個体にもほぼ共通で、ミ模様が破線な個体や、透明度の高い個体でも見られます。
形はなんとなく「UFO」のようにも見えます。
このUFOと喉元にある2つの斑点の計3つが“ヌマエビ南部群”の特徴としてよく目立ちます。
前述の「ミ」模様とプラスすると見分けの強い味方になると思います。

「ミ」の字の三本線と、「三つの斑点」。
この両方を足したイメージがこちらになります。

これが「ヌマエビ」の模様の規則性の基本イメージになります。

 

参考にさせて頂いたページ

http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/mizore2.htm
複数個体
http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/department/kyamerusyurinnpu.htm
キャメルシュリンプとして販売される。
<参考画像>の先に正式名称「ヌマエビ(南部群)」という表記と生息地の写真。
※ここの販売サイトは台湾産シナヌマエビを「ノコギリヌマエビ」と明記したり、
キャメルシュリンプ(ミゾレヌマエビ)に正式名称を付記してあったりと、良心的な印象が強いです。
エビのデパート アクアインテリア ニワサキ

http://www9.ocn.ne.jp/~ebi-505/newpage24.htmエビっこ倶楽部
アクアリウムで御馴染みのミゾレヌマエビは、やはりこれ。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~palaemon/atyidae.htm
ミゾレヌマエビの項目に入っている個体に顕著な「ミ」の字模様を見ることが出来ます。

http://umigakikoeru.hp.infoseek.co.jp/toriaezu.htm
非常に透明度の高い個体。内蔵を引っ張るように伸びる一本線(ミの真ん中)があります。
「三つの斑点」は明瞭。

http://www2.fish-u.ac.jp/LAIZ/topics/tansui/tansui1.html
ミゾレ模様が見事なヌマエビ小卵型。「ミ」模様が分かりやすい。
ちなみに「南部群」は小卵型というのが一般的(ミゾレとしての抱卵報告は多い)。

http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi3.html
「ミ」の上下の線は薄いですが、真ん中の一本が濃い。

http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi2.html
赤褐色の模様を持つタイプ。
左から2枚目の写真が、モデル的な個体です。
「三つの斑点」、破線化した「ミ」模様の斜めの流れ。
旧来から馴染みの“ミゾレヌマエビ”。

http://normani.hp.infoseek.co.jp/numaebi03.htmあくあっちゃろ
やや不透明な個体。
寄生藻類(シオグサ)が付いている個体は「ミ」の上下がやや破線化。真ん中の線はくっきり。
一番下にヌマエビの雄と思われる個体。三本線の真ん中の一本のみが目立つ。
「三つの斑点」は明瞭。
珍ヌマエビギャラリーその他の画像も参考になります。

http://www.geocities.jp/go_ue/02kozagawa/kozagawa.htm
後頭部から斜め下に黒帯が連続するタイプ。
黒い内臓と黒い模様が融合するとこういう感じに見える場合も多いですが、ちょっと独特。
手前の個体は「ミ」模様。

http://www.geocities.jp/polo6nhs/AZ/EBI01.htmlWaterField
目の方向から、斜め下に向かって頭胸甲を流れる「ミ」の模様をつくる点の集団がよくわかります。
不透明な個体にも充分に見られます。
「三つの斑点」に関しては、小画像の個体を除いて不鮮明。
他にも、額角に生えている棘の様子や、前側角部に棘がない様子なども良く分かります。
※ミゾレヌマエビとして売られる透明で金色の星が多いタイプ(南部群)から、
ヌマエビとして普通な地味なタイプ、青色がかったタイプまで、
実に様々な色のヌマエビが見られます。ヌマエビ画像の量では最強サイトです。
ヌマエビの分布は「北海道を除く〜」という表記が通常で、
しかも同一箇所で、これだけたくさんの色彩をしたヌマエビが住んでいるとは、なんとも不思議。

※“ミゾレヌマエビ”の再確認のきっかけを与えて頂いたサイト。

http://www7.plala.or.jp/uni2/awajiikimono/ebi.tansui.htm
赤褐色の模様を持つタイプ。
我が家のヌマエビとほぼ同質。

 

不透明タイプのヌマエビには通用しない場合も多いかも

“ヌマエビ(Paratya compressa compressa)”の括りの中には、
からだじゅうに細かい色素が広がっているタイプもあります。
というよりも、むしろこちらの不透明なタイプが“ヌマエビ”としては普通に紹介されるタイプ。
南部群は“ミゾレヌマエビ”として紹介される以外には特記される事はありません。
やや宙に浮いた一群に思えます。

http://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/cru0003.html
標本。不透明系か?V字模様もミ模様も見当たらない。
このタイプには透明系の規則性が通用しません。

http://park17.wakwak.com/~kabukabu/data-numaebi.htmKABUKABU
不透明タイプのヌマエビ。目の離れが強く、足も短い。
このページのタイプには「ミ」模様は存在していません。
やはり規則性は通用しそうにないです。

http://www3.wind.ne.jp/frank-ken/Nature/02/021/ikimono6.html
我が家に居るヌカエビと同じような色形。
簡単に交配できそうにも思えます。

まあ、こういうタイプを「ミゾレヌマエビ」と誤認する事はまずないと思いますが・・・・。
透明タイプは小卵型のようなので、大卵型は、こんな不透明系の中に居るのかも。

 

我が家のヌマエビに実際に当てはめてみる

我が家に居る謎のヌマエビ。ミゾレヌマエビ・ギャラリー01】【ヌマエビ・ギャラリー02
当初、「ミゾレヌマエビだろう」と思っていましたが、
再確認の機会を得、その後の調べで「ヌマエビ南部群」説が急浮上。
研究者は額角の棘や眼上棘で識別するそうですが、それは無理な話。
なんとかスッキリしようと思って、多数の画像を見比べ、
ようやく、有効な方法を見い出しました。
さっそく今回手にした模様の規則性を当てはめてみます。

一見、不規則に並んでいる斑点ですが、

規則性の基本イメージに沿って見て行くと、うまく重なっていきます。

強調すると、こうなります。
この個体は「ミ」模様はかなり曖昧で、規則性からは結構遠いタイプになると思いますが、
なんとか当てはまる範囲です。

ようやくスッキリできました。

 

まとめ

ミゾレヌマエビとヌマエビ(南部群とも呼ばれる透明タイプ)の見分け方のまとめ。


1.まず、目の下付近に、明瞭で大きなV字模様があるかどうかを探す。
後ろから投げたボールがワンバウンドして目に入ったようなV字模様があればミゾレヌマエビ。

2.V字が見付からず、頭胸甲の後ろ半分に猫に引っ掻かれたような「ミ」の字状の三本線、
あるいは同様の位置に並ぶ破線や斑点の並びがある、
あるいはミのうちの真ん中一本が、黒い内蔵部分を斜め後方下に引くような線としてあればヌマエビ。

3.喉元付近に2つと、頭胸甲のやや中心(内蔵の下あたり)に一つ、
の計3つの斑点があればヌマエビ。

もっと簡単にいうと、
ワンバウンドV字模様があればミゾレヌマエビ。
三つの斑点と三本の引っ掻き傷があればヌマエビです。


これさえ憶えれば、ミゾレ・マスター!.........か?

 

2006/02/26

 

※追記(2006/06/30

参考にさせて頂いたページの管理人さんが、
このページを見て下さったようで、
あらためてエビの確認作業をして頂けたようです。


http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi2.html
※指摘などという大それたことは・・・・・(^^;
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi3.html

http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html趣味のページ
両種の脱皮殻での判別。脱皮殻にも見事な眼上棘。

結果的にweb上に「エビの本当」が増えた感じで嬉しい話。
しかし、販売名・通称名の「すりこみ」の影響は随分大きいのではないかと思ってしまう。

眼上棘での相違も揃いましたので、確定です。

 

先日、「ミゾレヌマエビ」という販売名の書いてある水槽に、
ヌマエビ南部群に混ざって本物ミゾレヌマエビが数匹入っていました。
上記の赤いV字模様で容易に区別は付きました。じゅうぶんに使える楽な見分け方です。
さらに、スカンクシュリンプの水槽にも元気にツマツマしている本物ミゾレの♀。
アジア近辺の輸入ヌマエビにも結構混ざっているのかもしれません。
まあ小卵型ですから、大海原を航海するのは御得意ですが。

※追記(2007・03・25)
ヌマエビ大卵型、ヌマエビ小卵型、ヌカエビ、ヌマエビ南部群と、
ヌマエビ属に混乱した印象がありましたが、
遺伝学的な分類がなされているようで、
すでにスッキリしていたようです。
⇒【ヌマエビ・ヌカエビの新事情


おなじみの通称“ミゾレヌマエビ”の特徴

本物ミゾレヌマエビ情報

ミゾレヌマエビとヌカエビ・ヌマエビとの額角比較情報

ミゾレヌマエビとヌマエビの見分け方(模様の規則性から見た見分け)

 

参照⇒【ミゾレヌマエビのワンバウンド模様new!

関連⇒【ヌマエビ南部群・ギャラリー01】【ヌマエビ南部群・ギャラリー02

その他にも、参考になるミゾレヌマエビの写真多数⇒エビ・ギャラリーミゾレヌマエビの項目


2006/03/04 ミゾレヌマエビの雄の項目に追記
2006/06/30 追記

 


二種類あるミゾレヌマエビ目次に戻る

エビ飼育あれこれ目次へ戻る

総合目次へ戻る

 

inserted by FC2 system