卵を産む前に、腹肢を大きく扇いだり、後ろ足で腹肢をこすって
卵が付く面をキレイにする行動が見られます。
背中を丸める“陣痛”と思われるような行動が見られ、
その陣痛の間隔が短くなってきた後に産卵が開始されます。
卵巣から胸脚の付け根に向かって、墨で線を引くがごとく、卵が流れていきます。
交尾の時にオスの精包が入る道と同じルートを通って、卵が体外に出て、
腹肢の方に送られていきます。
脚や手を使う事もないのに、見事に腹肢の間に卵が納まっていきます。
前の方から順番に埋まって行く様です。
最後の卵が通っていきます。
卵は鶏卵の黄身のように柔軟で、
ビックリするほどに伸びて産道を通過していきます。
産卵終了。正味5分程度の出来事です。
産卵前の別の個体。
産卵は朝方〜午前中に行われる事が多かったです。
前日の夜の間に脱皮・交接を終了しているようで、
この状態ではすでに雄を誘惑するフェロモンは出ていないようです。
脱皮前の絶食のため、腹節部分に背腸が全く見えません。
体色は薄くなり、逆に卵巣が黒く良く目立ちます。
水面付近で休んでいる、この様な個体を見掛けたら、
産卵を観察できるかもしれません。
陣痛?に襲われる雌。
この、腰をぐっと曲げる行動の周期が狭まると
産卵開始が近付いた印。
卵巣の下に白く透けて見えるのが、おそらく雄の精子。
青い矢印の部分が受精嚢(雄から受け取った精包を貯めておく袋)と思われる部分。
この雌は黄色い矢印の部分にまで精包が詰まっているようで、
受精嚢から産卵口(生殖口?)までが白くなっていました。
卵巣から出た卵が、受精嚢や輸卵管を通過する間に受精が行われるものと思います。
参照⇒エビの雄の生殖口の位置など【ミナミヌマエビの精巣・貯精嚢・輸精管と思われる部分】
2004・07・01 岩