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ヒラテテナガエビ
ハサミの先の拡大(まるで剪定鋏)


以前、草食性が強い印象があるという記事を書きましたが、
そのヤマトテナガエビ(ヒラテテナガエビ)のハサミを拡大して見たところ、
それに関連しそうな構造を見付けました。

第二胸脚


第二胸脚は大きいほうの腕です。
一度、根元から欠落してしまって、再生したものですが、
だいぶ太く大きくなっています。


その先の部分。
かみ合わさる内側の部分に、
なにやら白い場所があります。


拡大して見たのがこれになります。
包丁やナイフ、あるいは刀の“刃”に相当するとも思える白い部分が分かります。
ホンテナガよりも職人気質な行動が見られ、
水草をバラしてしまう事も多いのですが、
それは、こんな切れ味の良さそうな、自前の道具を持っているからなのかもしれません。
ヒラテテナガエビは、ハサミに隙間が空いているのが普通だそうです。
この個体のハサミも、一番上の写真のように、付け根付近は隙間がありますが、
先のほうは噛み合わさると、紙でも切れてしまいそうに、ぴったりしています。
大きくなっていくにつれて、湾曲が強くなって、
隙間が開いていくのかもしれません。
(Web上の大型個体の写真では、湾曲が大きい印象)

 

第一胸脚


短いほうが第一胸脚。
細かい手作業はこっちで行ないます。
感覚毛がびっしり生えていて、
餌の匂いにも敏感なハサミです。


その拡大がこれです。
こちらにも、やはり切れ味を感じるような構造がある印象です。
瞬間的に連想したのが「剪定ばさみ」。


構造がそのままに見えます。
刈り込みが得意な、このエビ。
刈り込み作業は、
こちらの胸脚で行ないます。
水草の根っこを切ったり、
コケを刈ったりと、
剪定と同じような動きをするので、
同じような形になってしまうのでしょうか。


下の細いほうに、切る枝を引っ掛けて、
上側の刃でザクっと切ります。

手足の動きが早いので、どのように使っているのか分かり難いですが、
強引に引き裂いたり、ねじ切ったり、といった印象はありません。
力を入れずに、細かく動かしているだけです。
やはり効率良く良い仕事をするのには、
良い道具を使っている、そんな印象です。

 

2008/05/11


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