「ｍ」模様クッキリのまま、成エビとなったミナミテナガエビの♀。
♂に比べ、腹節下部に膨らみがあります。
このミナミテナガエビも、マテナガ同様に雌単独飼育では無精卵を産みます。
数日間抱いていますが、やがて全部落とします。
ヌマエビ類では次の産卵まで卵巣を持ち越す性質がありますが、
テナガエビは持ち越せないようで、
産卵前脱皮を行なって、雄と交接できなかった場合も、必ず産み出してしまいます。
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「ｍ」模様クッキリのまま、成エビとなったミナミテナガエビの♀。
♂に比べ、腹節下部に膨らみがあります。
このミナミテナガエビも、マテナガ同様に雌単独飼育では無精卵を産みます。
数日間抱いていますが、やがて全部落とします。
ヌマエビ類では次の産卵まで卵巣を持ち越す性質がありますが、
テナガエビは持ち越せないようで、
産卵前脱皮を行なって、雄と交接できなかった場合も、必ず産み出してしまいます。
胸の横の「ｍ」の文字に似た黒い模様の周囲が、無地の縁取りで抜かれています。
この効果で、ｍ模様がより際立つのがミナミテナガエビの特徴。
大きくなってもｍ模様が薄れないので、テナガエビとの区別は簡単です。
模様だけでも、ほぼ見当が付きますが、
これに「指節の短さ」という特徴を確認すれば、
まずテナガエビと間違える事はありません。
この写真やその上の写真もそうですが、ミナミテナガエビは歩脚の爪が短いですから、
異様なほどに長いテナガエビとは混同のし様がありません。
写真のように、抱卵を経験した雌の腹節下部には、黒い垂直方向の模様が数本見られます。
スジエビやテナガエビの雌にも似たような模様が入ります。
ミナミテナガエビの小型の雌は、スジエビとの混同も多いように思えますが、
胸の横の模様が、スジエビが「逆さハの字」、あるいは漢字の「凶」のような模様なのに対して、
このような太い「ｍ」なので、胸の横の模様を見れば一目瞭然と思います。
スジエビの模様
ミナミテナガエビとテナガエビの違いとして、
額角の大きさが比べられる場合もあるかと思いますが、
個人的にはあまり参考にした憶えがありません。
ミナミテナガエビのほうが若干小さく短いという傾向はあるようです。
ですが、これくらいの大きさの額角を持つマテナガを見掛ける事はあると思います。
１．「ｍ」模様の太さ・濃さ
２．指節（脚の爪）の短さ
この２つに勝る見分けポイントはないのではないかと思います。
わざわざ他の部分を見て、かえって混乱してしまうくらいなら、
この２箇所だけに限定したほうが良いくらいだと思います。
産卵期が終わってしまったのか、完全に背中の卵巣は空っぽ状態が続いています。
マテナガの場合、産卵を何度か続けた雌が突然に食欲を失い、
極端に衰弱して一生を終えるのに対して、
この個体は、とくに弱った感じもなく、タニシの殻からはみ出た肉をつまもうとしたりしています。
来年の産卵期にも参加するのではないかといった食欲・気力を維持しています。
今年が初産卵ですが、一回だけの産卵期では死ぬ感じがありません。
スジエビ以下のサイズだった去年の夏を一歳と考えるなら、現在二歳。
まだまだ大型と呼ぶ大きさではないですから、三歳にはなるのではないかと期待しています。
（この写真でも指節の短さが良く解かります）
追記(2009/09/04)
と期待したのも束の間。
夏の終わりと共に、残念ながら死亡してしまいました。
秋口の水温差などの影響かもしれませんが、
寿命なのかもしれません。
個人的には、ミナミテナガエビは雌と雄の体格差が著しい印象もあります。
大型の雌が居ないとすると、雌の寿命が短い可能性はありそうにも思えます。
マテナガも雄より一年ほど短い感じですから、
２種類とも雌の世代交代は早いのかもしれません。（推測ですが）
参照⇒【テナガエビ成体♀】
マテナガは「ｍ」模様が消える事がよくあります。
ｍの文字自体も細くて不鮮明。
参照⇒【ヒラテテナガエビの縞模様】
これも指節が短い種類。
ですが、模様の違いで、区別は容易です。
◆おすすめリンク
ミナミテナガエビ【KENKEN’S HP】
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/M.formosense.html
模様と形態、両方に詳しいサイトです。
どちらが欠けても見分けを失敗しますから、必ず、両方見る様にするべきでしょう。
琉球淡水エビ
http://www.h2.dion.ne.jp/~karo/
本土産以外のテナガエビ科がたくさん。
番匠おさかな館の図鑑・エビ
http://rs-yayoi.com/osakanakan/zukan/shrimpcrub/shrimptop.htm
見分け方が、分かり易く表現されています。おすすめ！
※このサイトに感じた要注意点
1、あくまでも九州大分県に生息するエビの情報です。
2．ヌマエビと書かれているのは、現在のヌマエビ南部群（旧ヌマエビ小卵型）。
3．ヌマエビ北部−中部群（旧ヌカエビ、旧ヌマエビ大卵型）は載っていません。
4．全国に定着しつつある外来シナヌマエビ類も載っていません。
2009/08/30 岩
2009/09/04 追記
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