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ミナミテナガエビ&ヒラテテナガエビ
〜幼エビを上から見た場合〜



ミナミテナガエビと思われるまだ小さな個体です。
テナガエビとの見分けは、上から見ると、少し楽になります。
テナガエビよりも
1.眼と眼の距離がやや狭い。
2.腕の基本姿勢が○に近い。(手首の部分を内側に曲げている)
3.腕のオレンジ色が強い。
といった違いがあります。
頭胸甲と腹節の間、そして、腹節の一番出っ張った部分に、
体を一周する輪があります。
黒くて細い輪ですが、
これも、テナガエビの幼体には無い印象なので重宝しています。
しかし、個体差や地域差はあるかもしれません。


容器の水面上へ上がろうとしているところです。
遡上への意欲がたいへんに高いので、
それがほとんどないテナガエビとの見分けに、
この行動の有無は使えます。
水面上に頭を出して、その上まで上がろうとします。
陸上に置いても、歩いてしまうのはミナミテナガエビ。
脚を伸ばしたまま跳ね回っているだけなのはテナガエビです。
テナガエビはいつまで見ていても起き上がって歩くことがありませんでした。
このような事態に遭遇する事がまずない環境に生息している。
つまり、下流域や湖沼に棲んでいて、遡上とはあまり縁がないのが解かります。
ミナミテナガエビは、しぶきの掛かる水際を遡上する事が、
生活の中に有る事が解かります。
この個体は、腹節の黒い輪がよく見えます。


写真ですから、動きの早さは写りませんが、
かなりのスピードで、水面付近を移動しているところです。
足掛かりがあれば、すぐにでも陸上を歩くと思います。
右側の個体は腕がありませんが、
網の上を簡単に歩いていたので、すぐにミナミテナガと分かりました。
こんなに小さなうちから、両腕や片腕がない個体が居ます。
周りにテナガエビが多いので、それらとの争いは絶えずありそうです。
テナガエビ域を通り過ぎないと、上流部へ行き着けないので大変そうです。


手前の個体にはm模様が少し見えています。
奥の個体の、この眼の感じがミナミテナガエビ、あるいはヒラテテナガエビにも感じる狭さです。
体の側面の線からそれほど眼が出っ張りません。
テナガエビ類4種のうち、一番出っ張っているのはスジエビです。
次いでテナガエビ。
そして、あまり出っ張らないミナミテナガエビとヒラテテナガエビです。
この成長段階の彼らは透明で、目だけが良く目立つのみなので、
眼と眼の距離を見分けるしかない部分があります。
ヒラテテナガエビとの違いは、
ヒラテテナガエビには、
1.胸の横に「m模様」がない。(水平な細い線が入っています)
2.腰の部分に黒いやや太いスジ模様がある。
といった違いがあります。
ミナミテナガエビにもこのスジ(輪)は存在するのは、このページの各写真でも分かると思いますが、
ヒラテはこれが上側にさらに太くあります。(小さな個体では似たり寄ったりかもしれませんが)
参照⇒【ヒラテテナガエビの若エビ1
参照⇒【
ヒラテテナガエビの幼エビ2-1
参照⇒【
ヒラテテナガエビの幼エビ2-2


眼が体のラインから、あまり横へ張り出していません。
腕を円い感じにしているのも見分けに重宝です。


あまり眼が出っ張っていなくて、
腕のオレンジ色が強ければ、
ミナミテナガエビである確率はかなり高いと思います。

 

横から見た印象はこちら⇒ミナミテナガエビの若エビ

 


追記(2008/10/09)
上記で、腰にリングがある中の一匹はヒラテテナガエビでした。
水槽の中に、とても見覚えのある横縞の個体が留まっていました。
この輪が濃いのはやはりヒラテテナガエビと思って間違いなさそうです。
混ざっているかもしれないとは思っていましたが、
水草の多く生えている水槽に一緒に入れていたので判明するのが遅れました。

ヒラテテナガエビも、指節が非常に短いです。
短く太い爪で、平気でガラス面に留まっています。
腕も○に近い姿勢をとります。
この二点に関してはミナミテナガエビと共通です。
(遡上しようとする性質も一緒と考えて良さそうです)
違うのはm模様が無く、代わりに横縞が数本入っている事。
そして、腰の一番出っ張った部分に入る太い線(輪)です。
ミナミテナガエビには「川」に近い文字が横にありますが、
こちらにはないので、横から見れば一瞬で分かります。
色が抜けている状態で、上から見ただけでは、
小さな個体は見分けにくいかもしれませんが、
水槽で落ち着いて来ると、種類ごとの斑紋が出て来ます。
テナガエビやスジエビと分けた後に、ゆっくりと分ければ良いかと思います。
(あまり個体の大きさに差があると共食いしあう危険はありますから、
ゆっくりにも限度はありますが。全テナガ共通の悩み)


写真を横にした物がこちら。
1.m模様がない(横線が数本、やや斜めに平行に入る)
2.指節(脚の爪)が短い
3.腰の部分に濃い腰巻
4.脚が太い
5.腕が作る形が○に近い
6.額角が短い
といったあたりを見てみると、
よく似ているミナミテナガエビの幼エビとの区別は付くと思います。
個人的には、ハサミの先端の白さがヒラテテナガエビのほうが強いと思います。
白さが一際目立ちます。
参照⇒【ミナミテナガエビの若エビの採餌行動
ミナミテナガエビの腕の色彩パターンとよく似ていますが、
ミナミテナガエビのほうが、色が薄い印象です。


参照⇒【テナガエビの指節
ミナミテナガエビは、テナガエビと良く似ていますが、
テナガエビは指節が長いので、見分けは容易です。
ここを比べれば、まず間違えないと思います。

 

おすすめリンク

ミナミテナガエビ
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/M.formosense.html
形態や生態などがたいへん詳しく書かれています。
ページの更新はされていませんが、色褪せない魅力があります。KENKEN’S HP】 

番匠おさかな館の図鑑・エビ
http://rs-yayoi.com/osakanakan/zukan/shrimpcrub/shrimptop.htm
額角に頓着せず、「見た目」に重点を置いた掲載方式です。
淡水エビの「種類の違い」というものが、より身近に感じられる事は間違いなしです。
種類も間違いなしと思います(個人的には違和感ゼロ)。ここは安心してお薦めできます。
「淡水エビは額角でしか見分けられない」なんてことはありません。
こちらのサイトを参考に、どんどん見分けると良いと思います。

 

2008/09/27


2008/10/09 ヒラテ追記


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