えびギャラリー目次に戻る

ミゾレヌマエビ(本物)
中腸腺?(=肝膵臓) エビ味噌?



内蔵を見るには有り難い、透明な♂のミゾレヌマエビ。
中央部分の白い塊がおそらく中腸腺(=肝膵臓、俗に海老味噌)ではないかと思います。
胃や腸を取り巻くように存在するらしいので、
たぶんそうだと思いますが詳しくは分かりません。
中腸腺は食べ物の消化や吸収を助け、
栄養の貯蔵庫としての役割もあるようです。
同一個体を追って観察したわけではないですが、
この部分の肥大や退縮は往々に見られるようです。
産卵前や脱皮前には大きくなり、
産卵後や脱皮後には中のエネルギーを消耗し、小さくなるのだとか。
ぱっと水槽を見渡しても、各個体で甲羅内のこの部分の大きさは随分と違っています。
みっしり詰まっているものと、腸が完全に見えるほど薄いものもあります。
この個体では随分と大きく発達しているように感じます。
脱皮から日が経っているのかもしれません。


見事にみぞれが降りしきっているミゾレヌマエビの♀です。
右上、背中のすぐ下にある茶色っぽい部分が卵巣です。
まだ未成熟な卵です。
その左下、写真中央部分に位置する白い部分が中腸腺(肝膵臓)と思われます。
(その上の黒っぽい部分が胃や腸に相当する部分と思います)
「エビが痩せる」ことは、当然ながら、外骨格な為に外からは分かりにくい訳ですが、
この中腸腺から痩せ始めるらしい事は充分に想像できます。
逆に、ここが大きければ「電池切れ」には強い個体であると云えるかもしれません。
パンパンに肥大していれば、卵巣の発達にも使われますから、
産卵が比較的近い個体であるという判断にも結びつきそうです。


卵巣の中は成熟したつぶつぶ状の卵でいっぱいです。
この卵巣の左上にあるやや緑がかった部分が中腸腺と思います。
「かに味噌」や「ざり味噌」から推測すると、左右に一対存在しそうです。
ただ、肥大して、胃や腸を取り巻いている感じに近いと、
一対というよりも、全体に詰まった感じになるのかもしれません。
この個体では、中腸腺は小さくなっている感じがします。
卵巣の育成をし終え、中腸腺の中のほとんどのエネルギーを
卵に回した後という事なのかもしれません。
♀は卵の熟成にも中腸腺に蓄えたエネルギーを使い、
脱皮にも中腸腺からエネルギーを使うようなので、
両方が同時に起こる「産卵前の脱皮」では、ほとんど空になってしまいそうに思えます。
ただ、回復させてあげようと、あまりに脂質の多いものばかり与えると
脂肪肝のようになってしまう可能性もありそうです。
栄養バランスの良い「肥大」が大事そうです。


白い「中腸腺=肝膵臓」と思われる部分の大きさが明らかに違う二匹の♂。
右側の個体は白さと厚みが強いです。
そして、頭部にまで連続してみっしりと詰まっています。
左の個体は、腸が良く見え、中腸腺が痩せています。
♀にも共通の場所にありますから、「精巣」ということはないと考えて良さそうです。
肥大の強弱は、脱皮時期の違いによるところが大きそうに思えます。
脱皮時期の推測や、健康状態のチェックにも役立ちそうです。
(透明な種類であればですが)


こちらは、背中から見たスジエビ。
カニやザリガニを参考に中腸腺の位置を推測すると、
背中の中心を通る線から左右にある黒っぽい部分が
中腸線と判断できそうですが、詳しくは分かりません。

 

2007/08/09

 

参照リンク

http://www.zspc.com/mokuzu/yoshoku/yoshoku02.html
モクズガニの中腸腺

http://www17.plala.or.jp/JCRC/howeat.html
ザリ味噌

http://www.osakana-center.com/q&a/046/kanimiso.htm
かにみそ

 

 

 


ミゾレヌマエビの模様の特徴はこちら⇒【ミゾレヌマエビの模様の特徴2007・11・06追記


えびギャラリー目次に戻る

総合目次へ戻る

 

inserted by FC2 system