金魚屋さんや熱帯魚ショップなどで旧来から“ミゾレヌマエビ”と呼ばれて
売られているのは「ヌマエビ南部群」で、本当のミゾレヌマエビではありませんが、
こちらは“本物”のミゾレヌマエビと思われるエビです。
アクア系の雑誌などに載っている“ミゾレヌマエビ”の写真は全部ヌマエビ南部群であり、
観賞魚店に置いてある“ミゾレヌマエビ”も、ほぼ全部ヌマエビ南部群。
通販も学名明記でヌマエビ南部群を売っているという、
なんとも凄い世界です。
当然ながら、アクア系サイトにもこの影響は大きく出ていて、
“ミゾレヌマエビ”として本物ミゾレヌマエビが載っているのは採集系のサイトのみで、
購入派は100%「偽ミゾレ」といった状況です。
採集派でも種類判別の指標がアクア系雑誌やアクア系サイトであると
名前と種類が一致しなくなります。
市民参加の生息調査のようなものにも影響が出そうです。
本物ミゾレヌマエビは、異様なほどに長く突き出る額角の先端と、
オレンジ色の独特のワンバウンド模様が特徴です。
メスの個体には名前の通りと思われる白い点が所々に見られました。
参照⇒【ミゾレヌマエビとヌマエビ南部群の見分け方】
オスの個体。
「透明が特徴」といった感じです。
第一触角の鞭状部が非常に長いです。(写真では上が画面外に達しています)
この本物ミゾレヌマエビのオスは透明である事と腰が出っ張っている事から
「透明で腰が曲がっている=スジエビ」と安易に誤認されることも多いようです。
スジエビはテナガエビ科ですから、
まず手が長いかどうかを見て判断したほうが見分けは楽で確実です。
ミゾレは鼻先も長いですから、まず手が鼻先を越えて前へ伸び出している事はないでしょう。
参照⇒【スジエビの見分け方】
後頭部から額角の先端に達しない範囲までに細かいギザギザがたくさんあります。
先端付近にはギザギザがないのも特徴のひとつのようです。
右のオスには霙模様はありませんが、
左と真ん中のメスには白点がいっぱいあります。
性格は極めて温和な部類と思います。
細い手足でツマツマと忙しく付着物を口へ運ぶ行動は
他のヌマエビ類と一緒です。
参照リンク
ミゾレヌマエビの詳しい解説【kenken's HP】
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/C.leucosticta.html
琉球産ミゾレヌマエビ
http://www.h2.dion.ne.jp/~karo/new_page_18.htm【琉球淡水エビ】
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi.html
琉球産の個体は赤味が強く、観賞用として流通する場合もあるよう。
キャメルシュリンプ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/department/kyamerusyurinnpu.htm
ミゾレヌマエビとして売られるのはヌマエビ南部群(別名キャメルシュリンプ)
<参考画像>の先に正式名称
ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html
属レベルで違う2種
ツノナガヌマエビ
http://www.geocities.jp/go_ue/tinnebi/tinebigoten.htm
極めて近縁なのではないかと思う種類。
額角の長さがさらに長いだけの違い?
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/tunonaganuma.html
研究者の方もツノナガとの見分けには苦労するそうです。
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/mizorenuma.html
額角の様子。
http://stay0329.fc2web.com/gallery.htm【BLEEDING LIFE】
http://stay0329.fc2web.com/diarymizore11.htm
小卵型としては難易度が低く、あっという間に着底するのだそうです。
市販のミゾレヌマエビはヌマエビ南部群
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi2.html
商品名“ミゾレヌマエビ”はヌマエビ南部群である事が眼上棘で確認されています。
対馬のヌマエビ南部群
http://homepage3.nifty.com/sencyo/ebi/T1zoea.html
こちらも眼上棘で確認済み
2007/05/20 岩
ミゾレヌマエビの模様の特徴はこちら⇒【ミゾレヌマエビの模様の特徴】2007・11・06追記
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