ミゾレヌマエビ(本当の)の最も特徴的な部分は
この馬面な部分だと思います。
額角は第一触角柄部先端をはるかに越えます。
第二触角鱗片と同等くらいに伸びています。
額角の先端に一個歯があったあとは、しばらく歯がなく
その後、たくさんの歯がノコギリのように並びます。
目の上を越して、後ろにまで生えています。
商品名の“ミゾレヌマエビ(正体はヌマエビ南部群)”とは趣が全く違います。
参照⇒【ヌマエビ南部群の額角】
ヌマエビ南部群はこれほど額角が長くなく、
先端付近まで均一に歯が並んでいました(写真では不鮮明)。
また、ミゾレヌマエビに独特の「ワンバウンド模様」がありません。
さらに、オスにも多くの模様があります。
本物ミゾレヌマエビのオスは「透明」としか言いようのない個体がほぼ全部。
目から斜め下に流れる涙模様のようなラインがあるのみです。
こちらの個体は、歯のない部分の長さがさらに長く、
額角全体の長さも相当に長いです。
ちょっと異様に思えるほど前に突き出しています。
ここまで長いと障害がありそうな気もするくらいです。
前側角部には棘が見られません。
ミゾレヌマエビの極めて近縁と思われる種類に
琉球列島に生息するツノナガヌマエビというエビがいるそうですが、
ツノの長さの個体差の違い程度なのかな、とも思わせてくれるくらい長い個体もいます。
オスの個体。
この個体の額角は飛び出してはいないようです。
途切れ途切れで、色素の繋がりが点々程度ですが
オスにも「ワンバウンド模様」はありました。
それよりも、この茶色い線で示した部分に入るスジが目立つ場合も多いです。
この部分に入る模様は体の深い部分にあるようで、
表面的な模様とはまた違った要因で出来ているようです。
採集時、網に入ったオスはたいへんに小さく、しかも見事に透明ですが、
この線が良く目立つので、すぐにミゾレヌマエビと分かります。
まるでレッドチェリーシュリンプのような色彩の大型メス個体。
ふつう、額角の下側は第一触角の柄部に隠れて見えないものですが
うまくこちら側に引っ掛かって見えています。
ミゾレヌマエビのメスは巨大化すると赤味が強くなる傾向があります。
アクア系商品としての“ミゾレヌマエビ(ヌマエビ南部群)”には、
大型化すると赤くなるという例は見た事がありませんし、
実際に大型の赤い個体を売っている現場も見た事がありませんから、
ここからも「“ミゾレヌマエビ”はミゾレヌマエビではない」ことが分かります。
参照リンク
◆ミゾレヌマエビの詳しい解説【kenken's HP】
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/C.leucosticta.html
◆ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html
◆ツノナガヌマエビ
http://www.geocities.jp/go_ue/tinnebi/tinebigoten.htm
◆額角の様子
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/mizorenuma.html
◆キャメルシュリンプ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/department/kyamerusyurinnpu.htm
ミゾレヌマエビとして売られるのはヌマエビ南部群(別名キャメルシュリンプ)
<参考画像>の先に正式名称
◆市販のミゾレヌマエビはヌマエビ南部群
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi2.html
商品名“ミゾレヌマエビ”はヌマエビ南部群である事が眼上棘で確認されています。
◆対馬のヌマエビ南部群
http://homepage3.nifty.com/sencyo/ebi/T1zoea.html
こちらも眼上棘で確認済み
2007/05/22 岩
2007・05・27 赤いメス個体追加
ミゾレヌマエビの模様の特徴はこちら⇒【ミゾレヌマエビの模様の特徴】2007・11・06追記
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