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ヌカエビ(ヌマエビ北部-中部群)
感潮域に生息していたタイプ〜顔周辺



感潮域のヌカエビ(ヌマエビ北部‐中部群)のオスです。
紅白のまだらラインが腹節の下部を通っています。
これが当初「ヌマエビ南部群」かと思わせた綺麗な部分です。
腰がよく盛り上がっていて透明感も高いです。

目の上後方には棘がありません。
目の前方にはまばらに生えています。
横からの撮影ではまず眼上棘の確認は困難な事がよく分かりました。


雄の頭の後ろの部分に白い塊と、それに続く管が下方に向かって見えます。
これがおそらく貯精嚢と輸精管と思われます。(これがあれば♂)
この写真だと頭のつるつる感はよく分かりますが、眼上棘は見えません。
眼上棘は、ヌマエビ属をヒメヌマエビ属と区別する拠り所ですが
一般的な使用に応える見分けポイントかと言うと甚だ疑問です。
顕微鏡の所有が前提での御話になると思います。


前方から見たメスの個体。
とても色素が濃い印象です。
以前からいる個体群の色彩とはずいぶん違っています。
目の離れ具合は“ヌカエビ”ですが、黒っぽいので威圧感があります。
よく発達した顎脚(中心の一番前にある二本)と、
その内側にあるハサミ脚がよく見えます。
このくらいの大きさでも眼上棘の確認はむずかしい。

眼上棘は、ここまでアップでなんとか見えるレベル。
高倍率のルーペで見えるか見えないかです。
肉眼での確認は相当に困難と思います。

 

参照リンク

◆ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html
脱ぎたての脱皮殻があれば、
死なせずに専門的な同定が可能なようです。(顕微鏡があればですが)

◆ヌカエビ【エビずかん】
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/nukaebi.html
ヌカエビは「ハゲ頭」。眼上棘が見えずともこれで容易。

◆ヌマエビ【エビずかん】
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/numa.html
ここに書いてある分布には悩まされましたが、
“本州中部以南”はヌマエビ南部群(旧ヌマエビ小卵型)の分布。
“北海道を除く”はヌマエビ属全体の分布(旧ヌカエビ+旧ヌマエビ大卵型+旧ヌマエビ小卵型)。
で良さそうです。
現在は北海道にも南部群が移入中とのこと。

◆北海道のヌマエビ南部群
http://www.geocities.jp/polo6nhs/AZ/EBI01.html
完全に定着しているもよう。
ここまで大きな写真でも、眼上棘の確認は困難。
ゾエアの写真の中に、尾扇化を果たした稚エビらしきものが見えます。
ヌマエビ北部-中部群も含まれているのかも。

 

2007/06/11 


※『ヌカエビ』に関しては、遺伝学的な距離によって、
以前の分類が大きく変更されているようです。
ヌカエビを含むヌマエビ属全体が見直され、
・ヌマエビ小卵型⇒ヌマエビ南部群
・ヌマエビ大卵型⇒ヌマエビ北部-中部群
・ヌカエビ⇒ヌマエビ北部-中部群
となり、南部群と北部-中部群は別種とされる方向です。
長く親しんだ名称なので、ヌカエビと呼んでいますが、
ヌカエビは正しくは「ヌマエビ北部-中部群」の一地域個体群となると思います。

参照⇒【ヌマエビ・ヌカエビの新事情

ヌカエビの詳細は⇒こちら


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