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ヌカエビの眼上棘



2001年初秋から水槽で増減を繰り返しているヌカエビの頭部を拡大してみました。
「淡水で繁殖している」「額角上の眼窟後縁より後ろに歯がない」などから
間違いなくヌカエビ(正式にはヌマエビ北部-中部群)ではありますが、
眼上棘もしっかり生えていました。
奥側の眼の付け根すぐ左に薔薇の棘のようなものが、前向きに生えています。


この個体群は河川の中・上流域で採集したものです。
違う河川産ですが、感潮域で取れたものとは色合いが違います。
薄い肌色といった感じです。
手前の眼上棘は見えませんが、奥の眼上棘はクッキリ見えます。
眼を動かしたら突き刺さってしまいそうに見えますが
そちら側には眼が傾く事はないようです。


やはり手前側は棘が一つの点と化してしまっています。
周りの茶色っぽい斑点と紛れて識別ができません。
左側の眼の上側には、前に突き出ている眼上棘が確認できます。


奥の眼の左側にあります。


後頭部から見た状態。
左の眼の付け根上側にあります。


やや斜め下から見上げた状態。

これだけ眼上棘の写っている画像を並べると、
ヌカエビを見さえすれば眼上棘はある、かのように思われるかもしれませんが
実際には100枚撮って10枚に写っているかどうか程度です。
「この角度なら写るはず」と思って撮っても識別できない場合がほとんどです。
ですから、肉眼で探すのはまず不可能と思って良いかもしれません。

写真のような大きなエビが居れば肉眼で見えるのでしょうけれども、
動いている3cm足らずのエビに、これを探すのは至難の技でしょう。
相当根気よく見ないと見れないものと思います。
ルーペで背景との色の差を利用して、上の写真のような角度を参考に見てみると
突然ポチッと見える瞬間があり、「あった!」と感動するかもしれません。
関連⇒【ヌカエビ(感潮域で採れた一群)の眼上棘

 

参照リンク

◆ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html
脱ぎたての脱皮殻があれば、
死なせずに専門的な同定が可能なようです。(顕微鏡があれば)

◆ヌカエビ【エビずかん】
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/nukaebi.html
ヌカエビは「ハゲ頭」。眼上棘が見えずともこれで容易。

 

2007/07/07 


※『ヌカエビ』に関しては、遺伝学的な距離によって、
以前の分類が大きく変更されているようです。
ヌカエビを含むヌマエビ属全体が見直され、
・ヌマエビ小卵型⇒ヌマエビ南部群
・ヌマエビ大卵型⇒ヌマエビ北部-中部群
・ヌカエビ⇒ヌマエビ北部-中部群
となり、南部群と北部-中部群は別種とされる方向です。
長く親しんだ名称なので、ヌカエビと呼んでいますが、
ヌカエビは正しくは「ヌマエビ北部-中部群」の一地域個体群となると思います。

参照⇒【ヌマエビ・ヌカエビの新事情


ヌカエビの詳細は⇒こちら


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