総合目次へ戻る】>【エビギャラリー目次へ戻る】 


ヌカエビ
離れ目、外肢、眼上棘



ヌカエビの離れ目と外肢。
ヌカエビを見分ける時は、
1.目が真横に180°開き、目と目の離れ具合も広い。
2.外肢がある。
という2点が容易です。
スジエビと間違われるほうが多いくらいのエビですので、
離れ目ぶりは天下一品です。
そして、脚の所から、ひょろひょろと小さな脚が生えています。
これが外肢だそうです。
この外肢は比較的目にし易い部分なので、
見分ける時のポイントとして使うと便利です。
精巣のような白い部分が見えますので、雄の個体と思います。


ヌマエビ属(ヌマエビとヌカエビ)には、眼上棘という棘があることが説明されますが、
透明度が高いエビなので、棘も透明。
眼上棘は探せない物と思っても良いくらいです。
それに比べ、外肢はルーペで充分に見られる範囲ですから、
こちらを見たほうが便利です。
写真上で、ちょうど水草の茎の部分に良く写っています。


右下の眼の付け根部分に、上側から突き刺さりそうに眼上棘が有りますが、
説明に窮するほど小さいです。
脚の付け根の外肢は、あきれるほど簡単に見えています。
ヌマエビ属(ヌマ、ヌカ)をヒメヌマエビ属(ヤマト、ミゾレ、ヒメ、トゲナシ)や、
カワリヌマエビ属(ミナミ、シナ)と見分けるのに使用する場合、
眼上棘か外肢のどちらかが見付かれば、事は足りますので、
眼上棘の出番はないかもしれません。
(尤も、ヒメヌマエビ属やカワリヌマエビ属のエビは、
眼が斜め45°と思うくらいに前向きに生えていますから、
眼の生える角度だけでも、ヌマエビ属とは簡単に区別できます)
頭胸甲横の「ベルをつまむような模様」もありますが、
雄の場合は、点の数もまばらで、体色も薄いので、
見出すのにやや苦労します。
それでも、周りの色抜けした空白の部分とで作る独特の紋様はあります。

ヌカエビを見分けるのに便利な模様。(茶色く塗った部分)
雌の場合は、このような模様がしっかり出ます。
雄は、全体が薄くまばらになりますが、
同じ位置に模様の片鱗がありますので、
特に苦労なく見分けられると思います。


別個体の雄。
左下の眼に、甲羅の側面の延長から伸びた眼上棘が刺さるかのように見えています。
手前側は模様に紛れて見えません。
外肢は簡単に見えます。
肉眼で見分ける場合は、
1.真横に180°開いた離れ眼。
2.見慣れると見えてくる独特の模様配置。
となりますが、ここにルーペを使用して、
3.外肢がある。
を確認すると一気に完璧になります。
・頭がつるつるハゲ頭。(頭に棘のある個体や個体群もあり=旧ヌマエビ大卵型)
・独特の凹凸のある体の曲線。
・中卵型というやや大きな卵と海水不要のゾエア。
・そして眼上棘などを加えて行けば、
より確かなものになります。

 

参照ページ

ヌカエビの眼上棘1

ヌカエビの眼上棘2

ヌカエビの外肢1

ヌカエビの外肢2

ヌマエビ(南部群)の外肢

その他⇒【エビギャラリー

 

 

2008/11/21


ヌカエビに関しては、近年「ヌマエビ北部−中部群」という呼び名が提唱されていますが、
それでなくとも、姿や生態が知られていないヌカエビが、さらに混乱に陥り、
存在すら知られなくなる危険を感じる名前と思います。
全く別種である事が確認されたヌマエビ南部群と、
別種同士が同一の名で呼ばれる違和感も大きいです。
今後も「ヌカエビ」と呼ぶ事のほうが、
ヌカエビの存在を鮮明にし、ヌカエビ自身やヌカエビを知る人、ヌカエビを知ろうとする人に、
大きな助けになると思います。
「ヌカエビはヌカエビであって欲しい」
個人的に強くそう願います。⇒【ヌカエビはヌカエビ


2009/03/13 更新


総合目次へ戻る】>【エビギャラリー目次へ戻る

inserted by FC2 system