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ヌカエビの外肢
その二


ヌカエビを見分けるのに、外肢を発見するのが簡単だ!という事で、
過去の写真をあらためて見てみました。
狙って撮っていたわけではないので、そうそう鮮明には写っていませんが、
参考になりそうな写真をいくつか見つけました。

右下、脚が三本見えますが、
その一本一本に、付け根付近から前向きにやや細いものが出ています。
これが外肢と呼ばれるものです。
その三本の脚の付け根に後ろから伸びている、まだらの細いものがありますが、
これは腹節の甲羅の中から伸び出している腹肢の外肢です。
これは外肢の勘定には入れません。
ヒメヌマエビ属やカワリヌマエビ属にも見られるものなので、
外肢と判断ミスをしないように注意が必要だと思います。
参照⇒【ミゾレヌマエビの腹肢の外肢
参照⇒【ヌマエビの外肢
※ヒメヌマエビ属
・ヤマトヌマエビ
・ヒメヌマエビ
・トゲナシヌマエビ
・ミゾレヌマエビ(この名称で販売されるのは、まずヌマエビ南部群)
※カワリヌマエビ属
・ミナミヌマエビ(この名称で販売されるのは、まず外来近縁種シナヌマエビの仲間)


外肢は、概ね、このように甲羅の側面のへりに張り付いています。
真横からだと、甲羅の縁に見えてしまう事が多いと思います。
この写真では、眼の上の隙間、ちょうど眼の付け根の部分に
ちいさな棘が生えているのが見えます。
眼上棘」と呼ばれる棘で、ヌマエビ属に特有の棘だそうです。
※ヌマエビ属
・ヌマエビ⇒旧ヌマエビ小卵型=ヌマエビ南部群=販売名“ミゾレヌマエビ”
・ヌカエビ⇒旧来のヌカエビと旧ヌマエビ大卵型=ヌマエビ北部−中部群。

この棘が生えていればヌマエビ属ですが、
これを探すよりは、外肢を探したほうが、より楽です。
ここに掲載している写真には、当然ですが外肢や眼上棘が写っている写真を選んでありますが、
100枚撮って、写っているのは数枚程度です。
両方が同時に写っているのはほとんど奇跡です。
相手が生きているエビですから、
虫眼鏡やルーペで眼上棘を探すのは根気が要ると思います。
外肢のほうが、幾分ましかもしれません。

「外肢」か「眼上棘」、どちらかでもあれば、それはヌマエビ属だと思って良いと思います。
(南国の離島のエビは対象外です)


胸の横に「吊鐘模様」がくっきりの個体。
その鐘の下側、
脚の付け根にびっしりと鰓のような物が、斜め前にたくさん突き出ています。
この外肢は、見える時にはいくらでも見えますが、
見えない時には、全く見えない場合があります。
「あった」のであれば、間違いはないですが、
「なかった」場合は何度も見直した方が良いと思います。


背中に白い精巣や輸精管、貯精嚢といったものが透けて見えるオス個体。
逆さに留まっているので、眼が水平を通り越して後ろ向きにまでなっています。
この眼が横に飛び出し、水平、あるいは斜視に近いまでの広がりを持つのがヌカエビの特徴。
それに、さらに外肢の存在がプラスされる一枚です。
体の両脇に細い脚がひらひらと見えます。
これで眼上棘も鮮明に写っていれば良かったのですが、
眼上棘は残念ながらボケています。


こちらも逆さに留まっている状態。
平衡胞に砂粒を入れるような行動は見た事がありませんが、
しっかり重力に対して目玉を水平に保っています。
この個体にも外肢が良く見えます。
外肢の先は鰓状の細かい毛が規則正しく並んでいます。
一番右の一本は腹節の中から伸びた腹肢の外肢です。

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2008/04/03 


ヌカエビの詳細は⇒こちら


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