ロックシュリンプ・ギャラリー〜03
おす・めす



ロックシュリンプの雄雌の区別は容易です。第一歩脚(第三胸脚)が異様に太くて長い個体が雄です。
雌はバランスとして普通なエビの印象です。若干、雄より体がふっくらしている等の基本は他のエビと一緒。
上に居るのが雌。下の個体が雄です。(参考⇒【エビの雄雌の見分け方


左の大きな腕を広げているのが♂。右側の腕が目立たない個体が♀。
体自体の大きさはほぼ一緒ですから、大きな性差です。
第一触角(鼻先の四本)の、前に突き出る二本の長さも大きく違います。
確実に見分ける場合にはプラケースに入れて下から見るなどして第一腹肢を見ます。
(脱皮した抜け殻で見るのが安全)
ロックシュリンプの第一腹肢は雌雄とも小さく短いですが、
♂の第一腹肢の内肢は、他の腹肢がひれ状なのに対して、
板状?に変形しています。大きさも比較的発見しやすい大きさです。

♂の抜け殻。赤い矢印の部分が第一腹肢の内肢と思われる部分。
他の腹肢と形が異なります。
第一腹肢が、しっかりあれば♂という程度で充分かも。


♀の第一腹肢は、かなり退化していて、一瞬「生えていない」かのように見えます。
二つ折りになって、甲羅の両脇に押し込められたようになっています。


たまに、腹肢の掃除以外でも、このように腹肢を広げている事がありますが、
この時、♀には4枚しか腹肢がありません。
♂には雌と同じ4枚の他に、もう一本、二股に分かれた短い腹肢があります。

ただ、雄も第一腹肢のみを折り畳んでいる場合も多いです。


横から見た雄のロックシュリンプの第一触角。鼻先の四本の下側2本がかなり長いです。
雌は上側の2本と、ここまで大きな差がありません。
良く泳ぎ回る小さな他のヌマエビ類に比べて、このロックシュリンプの上側の2本が長くない事は、
このエビがほとんど泳がない事と関係があるのかもしれません。

 

Mサイズの中から雄を探す

Mサイズ(5cm前後)くらいのロックシュリンプが入荷しても、
太い腕を持った雄が見当たらない場合がよくあります。
ロックシュリンプは雄と雌の体格差があるエビなので、
Lサイズ(10cm近い)だと、今度は雄が多かったりもします。

ですが、雌ばかりだと思っているMサイズの中にも、
一番前の歩脚の関節(ひざのような部分)が、
鼻先と同じ位に長い個体が混ざっている場合があります。
雌の脚はそこまで長くなることはありませんので、
流れに手を広げている個体の踏ん張っている一番前の足を、
一匹一匹比べると分かります。
他の個体に比べ、腹節も細い感じがしたら、
それは雄の若エビです。

雌の一番前の歩脚は短くて華奢。
鼻先までの距離は随分とあります。


つまり、雄は未成熟でも腕の長さ自体はすでに長いのですね。
同サイズでも、周りの雌はすでに成熟している女性ですから、
腹節はふくらんでいるので、
やや凹み気味の若い雄は、比較的判別し易いです。

雄の歩脚の「ひざ」は鼻先とほぼ同位置にまで達します。
この雄は既に太い脚になっていますが、
若い雄も長さだけは一緒なので、区別できます。


卵を産まない雄の成長は意外と早く、
数ヶ月で立派な太腕の雄に変身しますので、
Mサイズから育てて、成長していく過程を見るのも楽しいものです。

やせた少年だった若造と君臨し続けたボスが真正面で殴り合う、
ボスの交代劇が見られるかもしれません。



2004/11/21 腹肢の写真追加
2005/11/05 若雄の探し方追加


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