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背景と同化し易いため、なかなか居る事を発見しにくいスジエビ君でしたが、
最近、簡単に見付かるようになりました。
原因は、彼のヒゲが白くなった事にあるようです。
以前は、他のヒゲと同様に、無色に近い状態でしたが、
急に白くなりました。
胸の横、逆さハの字の後ろに、白い半円がありますが、
これはおそらく輸精管ではないかと思います。
この個体が成熟した事によって、ヒゲが白くなったのかもしれません。
スジエビは地方によっては「シラガエビ」という名で呼ばれるそうです。
地方名には、なるほど言い得て妙な呼び方が存在しています。
その種類の特徴を実に見事に表わしていて、
そちらを標準和名にしたほうが良いのではと思うほどの場合もあります。
スジエビの見分け方に、この「第一触角鞭状部の上側二本が白い」という項目は、
ぜひ入れたいところなのですが、
白くない個体や若いエビでは白くない事も多いので、
なかなか難しいところです。
もっとも、このように白ければ、スジエビであることは間違いないとは思います。
他のエビで、これが白い種類には今のところ御目に掛かった記憶がない感じです。
白かった場合は、ほぼスジエビでよいと思います。
(「白くないからスジエビではない」という事ではないですから、むずかしい)
しかし、なぜ成熟すると白くする理由があるのかが謎です。
エビは仲間を目で確認している印象はありません。
ほぼ匂いのみの世界です。
異性に対してのアピールという発想は考え難いです。(雄も雌も白いはず)
これが白くないほうが明らかに敵に見つかりにくいと思うのですが・・・・・
あるとすれば、もう随分大きくなっているので、
その大きさ自体で、すでに天敵に見付かり易い。
だから、最も逃げる時に後方になる部分を強調してある。
エビは尻尾を使ったジャンプで後方に跳ねて逃げますから、
ここに敵が狙いを定めても、軽々逃げられます。
万が一噛まれても、切れれば逃げられます。
トカゲのしっぽに近い発想なのかもしれません。
相手も、不用意にヒゲを襲えば額角で刺されます。
一度、痛い目に合うと、同じ色や形状のものは襲わなくなる事が多いですから、
スジエビの互いの生存の利益に繋がっている可能性はありそうです。
参照⇒【スジエビの触角】
2009/05/24 岩
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