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テナガエビの砂かぶり
〜平衡胞に砂を入れる行動〜



脱皮を終えて一日経ったテナガエビが、
眼の前にある窪みに盛んにゴミを入れて撫で回しています。
この行動は、「砂かぶり」と呼ばれる行動で、
平衡胞という穴に、砂粒を入れるための行動だそうです。
頭の上から、眼の下までゴミだらけです。
ヌマエビの糞も入っています。
眼の下の黒い粒は、取り残してあったソイルの粒だと思います。
手に触った砂や泥を何でも挟み上げて額角の下に入れます。

平衡胞という小さな入れ物には、中に小さな毛が内向きに生えているそうで、
ここに入れた砂粒が引力でその毛を押すことで、
自分の体の上下が分かるそうです。
この砂粒は、脱皮の度に抜け殻と一緒に取れてしまうので、
新しい殻になったら、また入れ直す事になります。


ぱっと見た感じでは、掃除をしているのと変わりないかもしれませんが、
やっている事が全く逆です。
掃除は、ゴミを取り出しますが、(参照⇒【テナガエビの体の掃除】)
砂かぶりは、ゴミを地面からつまんで、眼の前の窪みに放り込んでいきます。
普段の綺麗好きな彼らの行動からは、想像できない行動です。
この水槽には砂らしい物は敷いていないので、
いくら入れてもゴミでしかないと思いますが、
浮泥や糞を一所懸命に入れています。
入れた後は、しばらくそれを広げてならし、
うまく穴に入るように撫で回します。
器用な第一胸脚で全て行ないます。


ゴミ(浮泥)がぼろぼろこぼれています。
やがてこの穴は塞がってしまう様で、
それまでに砂を入れなくてはならないらしいですが、
砂粒が入らなくても、水槽内だと特に大きな支障は無さそうです。
(関係ありませんが、肝上棘や触角上棘がよく写っています)

この行動はスジエビやザリガニでもよく見掛けます。
脱皮をした当日から翌日くらいに、まず間違いなく行なっていると思います。
細かい砂が敷いてある水槽でも、実に丹念に入れ続けます。
適した大きさの粒が揃っていたとしても、簡単に入るものではなさそうです。
この「エビの砂かぶり」ですが、
ヌマエビ類が砂を運び入れている行動は見た事がありません。
小さいので気が付かないだけかもと思いましたが、
大きなロックシュリンプでも見たことはないです。
(手が短過ぎて、眼の上には届かないのかも?)

 

おすすめリンク

http://dadooronron.cocolog-nifty.com/crayfish/2006/11/post_6b2b.html
ザリガニの砂かぶり

 

2008/10/02


 


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