頭を掻き掻きしながら、アオミドロの中から出て来たテナガエビのメス。
正面から見たテナガエビですが、
ヒゲの数は、はたして何本と数えれば良いのでしょう?
エビのヒゲは第一触角、第二触角と呼ばれますから、
正式には左右で2本ずつ計4本なのかもしれませんが、
個人的には、このテナガエビには8本あります。
左右に大きく太い2本は第二触角。
良く振り回されるこの長いヒゲは、どのエビも2本です。
問題は、第一触角。
目の前に生えている、あまり動かない据え付けのヒゲの方です。
付け根は「第一触角柄部」と呼ばれて一緒ですが、
先が三本に分かれています。
ムチのような様子からか、鞭状部という名前の部分です。
前方斜め下向きに、2本出ています。やや濃い茶色です。
これはヌカエビ、ビーシュリンプ、ロックシュリンプなどのヌマエビ類でも一緒です。
それらヌマエビ類と違うのが、上側の4本です。
ヌマエビ類だと、上側の鞭状部は片側一本なのです。
しかし、このテナガエビの場合は、
上側の鞭状部は片側二本です。
ヌマエビ類よりも、ヒゲの数が2本多くなります。
横から見ると、このような状態です。
途中までは癒合している様に見えます。
長さはそれなりにありますから、もうこれは本数として数えられます。
目の下側にある太い第二触角以外に、
6本の触角があることになります。
大きな個体では肉眼でも容易に見ることが出来ます。
参考のスジエビのヒゲ
こちらは同じくテナガエビ科のスジエビ。
スジエビの第一触角の上側の鞭状部は白い事が多いので、
良く目立ちます。
その白いヒゲの下のほうに、オレンジ色の短いヒゲがあります。
前方斜め下に伸びる鞭状部は黒です。
スジエビの、このオレンジ色の短い触角は、ヒゲの本数に数えるには
やや短過ぎる印象です。
しかし、色も違うので、その存在自体は目立ちます。
良く似ているテナガエビの若エビとスジエビを見分けるのにも、
この第一触角の違いは便利だと思います。
色の違いや長さに注目して見てみると、
面白いかもしれません。
2008/02/12 岩
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