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静かなエアーポンプ


“静かなエアーポンプ”と呼ばれていそうなエアポンプを、今までに数機種使ってみましたが、
静かさや耐久性、吐出量などには、かなり差がありました。

今のところ、静粛性に関しては、文句無く★★★★★を付けたい物は無い印象。
(まだ使っていない機種は多いですが)
一般的なエアーポンプは、DVDデッキのような静かな機器ではありません。
網袋に入れて吊るす、防振ゴムに乗せる、雑誌を積み上げた上に乗せる、押入れに入れる、
ドアの外から空中エアチューブ、などの作戦が必要なのがエアポンプなのかも(^^;。
以下は個人的な使用感など。


水作「水心SSPP2(SP2)」
所持数台(SP2・・・3台 SSPP2・・・2台)
静粛性★★★☆☆ 絞れば静か。濾過に必要な量を出すと気になる。
吐出量★★★☆☆ ダブルブリラント一基に一台必要。(音と吐出量のバランスで調節した場合)
耐久性★★★★★ 故障と無縁。発売当初のSP2が普通に使えている(20年近く前の物)

使用雑感・・・
とにかく、おそろしい程の高耐久性。交換パーツは不要でしょう。(勿論ユニット交換で回復はする)
機構に無理なくエアー吐出量を調節できるので、微量のエアレーションが必要な場合に都合が良い。
水合わせや採集した生き物の臨時容器のエアレーションなど、あると何かと便利です。
ただ、「静か」という定評を得てはいるが、絞れば静かなのは当たり前と言う気もする。
二十年前は驚きの静かさでしたが、最近購入した物も大きな進化は無し。
もうそろそろ「絞らずとも静か」な商品を出して欲しい気もします。
個人的なエアーの必要量からすれば「うるさいエアポンプ」に入ってしまいます。
時代の流れからしても、「静か」を謳い続けるのは辛い印象です。


水作「水心SSPP3」
所持数3台
静かさ:★★★★☆ 耳を近づければ唸ってはいますが、少し離れるだけで気にならなくなる程度。
吐出量:★★★☆☆ この小ささを考えれば、随分とよく出ます。
耐久性:まだ分かりません(SSPP2と同等だと嬉しいですが、製造メーカーは違う様)

使用雑感・・・
良い製品だと思います。
SSPP2を使っていて、「言われるほど静かではない、普通のうるささ」
というズレを大きく感じていたのに比べ、このSSPP3は「その通りに静か」と感じました。
SSPP7でもSSPP2よりは静か、そしてSSPP3は更に静かです。
エアーを最大で出しても「静か」の範囲です。当然、絞ればより静かになると思います。
エアー量も申し分ありません。
見た目で、SSPP7の1.5倍程度は出ている印象。
SSPP7ではエアーリフトを2基接続すると、八分・八分くらいになってしまいますが、
これなら、なんとか2基使えてしまいます。(ぎりぎりですが)
しかもエアー量の調節機能もありますから、
1基で使った場合もエアーを分岐させて逃がす必要がありません。
水槽が一つなら「これを買っておけばOK」といった商品に思えます。
あとは耐久性が分かれば、オススメの筆頭レベルです。
現在は「静か」の標準となっている機種のようです。
これより静かかどうかが今後の焦点。


水作「水心SSPP7」
所持数2台
静かさ:★★★☆☆ 絞る機能はありません。sspp2をバランスで絞った状態と同等。
吐出量:★★★☆☆ ダブルブリラント一基に一台必要。濾過に必要な量が充分出る。
耐久性:まだ分かりません(SSPP2と同等だと嬉しいですが、製造メーカーは違う様)

使用雑感・・・
何年使ったか分からないという譲り物と新品を使用。
普通なうるささで、普通に使えます。
sspp2を音と吐出量のバランスで絞って使う状態の音の量とエアー量とほぼ一緒。
つまり、sspp2を絞って使うのならこれで充分。
10cm足らずと、とても小さいのに、意外とパワフル。
さすがにガタの来ていたsp2の20年ものの代替位置で稼動しています。
これよりは明らかに静かです。
2メートルも離れれば、気になりません。
ただ、常に一定量の音と吐出量です。
絞れないので、人によっては、気になった場合に音を小さくできないという部分はあります。
sspp3がある以上、あえてこれにする必要はないかもしれません。

 


ニッソー「シータ 6000」
所持数
静かさ:
購入当初は最大量を出しても静かで感動(逆に絞るとうるさい)⇒★★★★☆
ただし網袋に入れて吊るすのが前提(置いたらうるさい)。
一年以上可動し続けると、徐々に騒音が増してくる⇒★★★☆☆
二年も使っていると、耐え難くなってくる⇒★★☆☆☆
三年目で使い続ける気力が無くなる。
吐出量★★★★☆ 購入当初は最大量でダブルブリラント四基稼動可。無理を解消すると★★★☆☆
耐久性★☆☆☆☆ 一年もたないダイアフラム。弁も何もかもが弱い。(取替えパーツはよく売っている)

使用雑感・・・

故障と大の仲良し。(個人的には故障と云うより設計不良。商品化以前だと思う)
「こんなに壊れやすいと分かっていたら7台も買わなかった」という商品。
まず、心臓であるダイヤフラムがすぐ裂ける。
ダイヤフラムが斜め上に引っ張られる構造で取り付けられているので、
そのまま使っていると、数ヶ月でダイヤフラムが破れ、エアー供給がとつぜん停止する。
おそらく設計段階で、今ある姉妹品のパーツを流用して
高吐出量のエアポンプを無理やり作る事になったのだろう。
ダイヤフラムをそっちにそんなに引っ張り続けたら
「そりゃそうなるだろ」という当然な壊れ方をしてくれる。
これが頻繁に起こり、取替えたダイヤフラムで山が出来あがった。(数ヶ月で一個×7台)
しかたなく、正しく真上に上がるように金具をペンチで曲げて調節して使用している。
(磁石には触れない。すぐ取れる)
この調節をすれば、ダイヤフラムの耐久度は大幅に向上する。(吐出量は下がるかも)
取替えパーツはよく売っているが、
掃除機のゴミパックを買わせる方法に似て気に入らない。
とにかく毎月のように買う必要が生じる。

そして内部の弁の材質も弱く、よく切れている。
最近はネジの部分からの空気漏れもひどい。ネジ穴を指で塞ぐと通常に出る。
何度締め直しても漏れ続け、強く締め過ぎると当然の「パキッ」っという乾いた音がする。
(裏のヘソのネジは絶対に開けないほうが良いでしょう。そこの赤い1枚のゴム板を剥がしたら終わり)
そして、エアーチューブを交換しようとしてチューブをぐいっと引っ張ったら、
エアーチューブを装着する出っ張り部分が根元から「ポキッ」。。。。。。。

ある観賞魚店の裏に、この機種がエアチューブを付けたまま、
10台以上も山積みになって捨てられているのを見た事がありますが、
その店主もとても使い続ける気はしなかったのでしょう。

このメーカーの薄型インバーター・ライトも、4台のうち2台から煙が吹き上がり、
1台は勝手に消灯している商品。(火事にならずによかった)
日本の有名家電メーカーの製品がいかによく出来ているのかを認識させてもらえた。
(電器製品を当たり前のように安心して使っている今時、貴重な体験)


キョーリン「ハイブロー・C-8000」←オススメ
所持数
静粛性★★★★☆ 厚いマンガ雑誌を2冊ほど敷き、LOWで起動させた場合。
吐出量★★★★★ LOWでもダブルブリラント四基が楽に稼動できる。
耐久性★★★★★ 約4年の連続稼動中。現時点(2007/12/09)での問題発生は無し。(2008/10/30問題なしです)

使用雑感・・・
吊らずとも眠れた高吐出量エアーポンプ!
(星はほとんど★★★★★ですが、
たまに、共振などで「うるさいなぁ」と思う日があるので)
顔を近づけると、振動音よりも「シューシュー」という
空気を吸い込む音のほうが大きく聞こえる。
吐出量調節は無く、出る空気の量が半端ではないので、
その量を分岐して使いこなす予定がないと、エアリフトは水道の蛇口と化し、
エアストーンは沸騰した鍋と化す。
吸い込みが非常に強いので、
たまにフィルター部分の綿が穴に引きずり込まれていないかのチェックは必要。
黒くなった綿が吸い込み口に詰まってしまう事がある。
出る空気の量に対して、非常に静かなので、水槽が多めの方にはお勧め。
小吐出量エアーポンプを複数使って部屋中が「ブワ〜ン」とならずに済む。
上記の「水心」を四つ買う必要があるなら、これ一個にしたほうが静かで得。
一般的な小型エアーポンプとしては、個人的にかなり満足な商品。これはイイ!です。

※「テクノ高槻」のOEMという話も。
http://www.takatsuki.co.jp/catalog/index.html
カタログにあるC-5Fと同等品かも。

この機種が「静か」のスタンダードとなり、
やがて、「うるさい機種」なんて言われる日が来ると、
エアーポンプの世界もすごい事になります。
(ようやく万人に受け入れられるという事かもしれません)


音の感じ方は個人個人で違うでしょうし、
機械には当たり外れも多いので、ほんの参考程度に御考え頂いた方が良いのかもしれません。
この手の飼育機器の購入は、実際に稼動している状態の音を聞くのが一番確実ですから、
熱帯魚屋さんで長期間使われている機種を見て来るなどすると、
用途に合った希望の製品が手に入るかもしれません。

※ちなみに、店頭で濾過機器などを繋がずに音を視聴しても無意味です。
きちんと水圧などの圧力を受けた通常の使用方法での音を聞くことをお薦めします。
「ブワー」っと、とてもうるさい製品が、機器に繋いだ途端にシーンとなります。
(そういう意味でも熱帯魚屋さんは、稼動中の音が聞ける「良い飼育機器の見本市」)

今後、他機種を購入する機会があり、好感触を得ることがあったら更新する予定。

 

2005/06/09 


●H.N.ダイさんから、エアーポンプの音をさらに小さく出来る裏技を教えて頂きました。
ポンプの騒音で困っている方の助けになればという事ですので、
こちらに紹介いたします。

1.同じエアーポンプを二台、ゴム製の緩衝材などを挿んで、結束バンド等でくっつけます。
2.二台のエアーポンプを作動させます。
3.片方のコンセントを抜き、コンセントの向きを180度ひっくり返して挿し込みます。
コンセントの挿し方の組み合わせで、音が大きくなる場合と、小さくなる場合があります。
この小さくなる場合の組み合わせで使います。

早速、やや音の気になる状態になっていた水心SP2を二台、
腹側を合わせて、手で押し付けてみました。
すると、ちょうどコンセントの向きが、良い組み合わせだったようで、
ハッキリと分かる差で音が小さくなりました。
二台を遠ざけると、異音が大きくなり、腹を合わせるとピタッと止みます。
SP2は中に2基の磁石とダイアフラムという組み合わせで、
左右2基が互いに振動を打ち消し合うために音が静かになるという、
画期的な発想で、静かさを実現してくれた名機ですが、
本体同士を合わせると、その構造が、さらに音を打ち消す事になるようです。
ダイさんの場合、SSPP3で劇的な効果があったという事です。
私の手持ちのSSPP3では、今一つ効果が分からなかったのですが、
古いSP2では明らかでした。
まさか、本体同士でも振動を打ち消し合うとは思ってもみませんでした。
同じ型を二台以上御持ちで、騒音を少しでも小さくしたいと御考えの方は、
試す価値はある技だと思います。


2006/12/27 更新
2007/01/15 sspp7追加。更新
2007/03/13 更新
2007/12/09 SSPP3追加。更新
2008/10/30 裏技を追記。


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