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スポンジフィルターの吸盤

小型水槽を多く持っている身には、
スポンジフィルターは非常に重宝な濾過機なのですが、
そのフィルター本体をガラスに固定する吸盤が少々戴けない。
新しいセットを付けても、三日と待たずに剥がれている場合があります。
専用の純正吸盤と換えてもそれは一緒でした。

テンガロンハット?
形状を維持・復元できないのですから、
まともな吸盤の性能があるとは思えない。

スポンジフィルターの吸盤といえば、
昔は、取り外すのに流血が付きものの品でした。
爪で剥がそうとしても、なかなか剥がれず、
力を入れて剥がせた瞬間、「プツッ」と指と爪の間に激痛。
血がジワーッと滲むという事が数回ありました。
それはそれは堅固な吸着力を誇ったものだったのです。

20年前の吸盤。まだまだ現役で使えています。
Made in W.-Germany。今は無き「西ドイツ製」。
剥がすのを躊躇する、おそろしい吸着力を持っていました。
さすがに現在は、くたびれては来ていますが、
これを使っていた当時に「剥がれやすい」という印象を
持った事はありませんでしたから、
いかに最近の吸盤が役に立たないものなのかが分かります。

右は「プロ」とかいう巨大なスポンジ用。
同じく西ドイツ製ですが、これはしょっちゅう剥がれています。(比較的最近購入)
形的には現在売られている換え吸盤と同様です。
材質か成形が違うのか、現在の使いものにならない吸盤とはヘロヘロ感は違います。
Made in W.-Germanyの刻印はありますが、吸着力は強くないです。
20年現役の左のものは、薄くて、ぺとぺとした触感があります。
熱帯魚屋さんの色褪せた不良在庫の中に
もしかしたら「西ドイツ製」の薄い吸盤が、まだあるかもしれません。
当時の値段のままでしょうけれども、長期的には、それが御得かも。

 

良い吸盤を発見!

最近は、スポンジフィルターは投げ込みフィルターと変わらない状態が常でした。
スポンジをダブルにしてあるので、立てて置く分には問題はないのですが、
斜めになったり、水上に大きくせり上がったりと、
濾過に支障があるのは明白で、何とかならないかと思っていました。

そして、こんな物を見付け、ちょっと試してみました。

吸盤のみが商品として売っているというのは
なかなかないものですが、100円ショップにありました。
塩化ビニル樹脂。日本製です。
(どんなものでも中国製は安いですが、
環境の悪化と引き換えですので、実は高い。
潮の流れの下流で風下でもある日本は
垂れ流しの影響をまともに食らいます。
エビの為にもよろしくない)


だいじな縁の部分まで、きっちり良く出来ています。
剥がし易いように、ちょこっと「つまみ」も付いています。
横穴式ですが、穴の大きさがちょうど入りそうだったので、
これにしてみました。


穴の大きさはぴったりでした。(旧製品には緩いです)
横穴式の吸盤ですから
取り付けるとこんな感じになります。
パイプやフィルター部分を
かなり回転させないと、良い位置には付きません。

水分を吸ってしまうのか白っぽく変色します。
この変色は少々気になりますが、
レッドビーシュリンプやレッドチェリーなどの水槽に使用している現在も
特に問題はなさそうです。
ひとつの36cm水槽では、4つ使って水換えもしない状態で居ますが、
何かが溶け出して、エビの具合が悪くなるといった感じはありません。

これで一、二ヶ月は経っていますが、最初に取り付けた状態から一度も剥がれていません。
水中で使用する事は想定されていない商品なのかもしれませんが、
水の中での使用でも、特に支障はなさそうです。
少なくとも最近の純正の吸盤よりは、吸盤として成立している商品です。

残ったものを丸い瓶に付けてありますが(空気中)、
丸い瓶の側面という、吸盤にはきつそうな場所でも全く剥がれていません。
普通の吸盤としても充分に性能が高そうです。
「吸盤」に関しては、便利さや吸着力を謳っているにも関わらず、
その日のうちに落ちているものが多い印象の現在、
これは日用品としても良いものを見つけた気がします。

久しぶりに、まともな水流を見ることが出来て良い気分です。
これは重宝しそうな気配です。

 

2007/04/29 

大型ペットセンターや大型量販店の観賞魚コーナーなどでも
やはりガラス面から剥がれてしまっているのは一緒です。
(しかも、我が家の物より真新しい吸盤でした)
エビが売られているのは、まず小型水槽で、
スポンジフィルターが使われている頻度は非常に多いです。
おそらく全国的に、使用される頻度は高いのではないかと思うのですが、
その大部分で濾過不良が起き易い状態になっているというのは
他人事ではありません。
珍しい種類が入ってきても、購入する前に死んでしまうかもしれません。
実際は丈夫な種類でも、
「この種類は、死んでしまうから仕入れないほうがいいな」
となってしまう場合もあるでしょう。
御馴染みの種類でも、売れる前に死んでしまう個体が多くなれば、
値段が上乗せになり、一匹の値段は上がるでしょう。
あまりに死に易ければ、エビ自体の扱いもやめられかねないでしょう。
エビが弱いからではなく、吸盤の吸着力が弱いだけなのですが・・・・

つまり、吸盤がしっかりしてくれないと
全体としてエビ好きにはよろしくない状況になります。

たかが吸盤、されど吸盤です。

※同じく小型水槽で売られるベタの仲間やアピストの仲間も
鰓をふくらませて喘いでいる個体が増えているような・・・・・
(追記 2007・05・13)


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