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ビタミンCでカルキを抜く


果物やジュースを使ったカルキ抜き実験

ミカンでカルキ抜き

水道水に含まれる塩素を除く方法として、
ビタミンCを加えるというものがあります。

ビタミンCならミカンにたくさん含まれているはずなので、
ミカンの絞り汁でカルキ抜きが出来るはずです。

そこで、バケツ一杯(約8リットル)の水道水に
ごく一般的な温州みかんの果汁を加えて
塩素が抜けるかどうか調べてみました。


今回も活躍してもらう「ミズミル」
(意外と電池の寿命が長い)

我が家に供給されている水道水の塩素量は
常に三つ目が点灯する事が多い。
五つ全部が点灯すると塩素がほとんどないことになります。

微妙に塩素があると、
点滅したり、点灯するまでの時間が長かったりと
分かりやすい反応をしてくれます。(と勝手に思っている)

とりあえず、目安を得るために、
ミカン一個の中から一房を取り出し、
それを半分に千切った半房を
バケツ一杯の水道水に絞り落としてかき混ぜてみます。
結果、見事に塩素は抜けてしまいました。

次に最少量を調べてみます。
新たに汲んだ8リットルの水道水に、
ミカンの果汁を駒込ピペットで一滴ずつ加えていきます。

1滴
なんと、早くも四つ目が点灯しました。

2滴
四つ目の点灯のままです。

3滴
ミズミルの先端を振るたびに五個目が微妙に点灯します。

4滴
五個目が、ややぷるぷるしながら点灯。

5滴
確実に五個目が点灯しました。

6、7、8、9滴と点灯の間隔が縮まります。

10滴
点灯の間隔がそうとう縮まりました。

11、12、13、14滴とさらに縮まります。

15滴
もう大きく間隔が縮む事はないようです。
20滴まで大きな変化はありませんでした。

念の為、30滴までを加えた水にし、
レッドチェリーシュリンプの居る水槽の水換えを3分の2までしてみます。
バケツからエアチューブを使って注水します。
(一匹レッドビーも入っていました)
かなり多めの換水ですが、エビになんら問題行動は無しです。
翌日、翌々日も死亡個体はありませんでした。
ベアタンクなので、掃除を兼ねた排水でしたが、
もう、当日から糞がたくさん転がっていました。

これはかなり使えるカルキ抜き方法ではないでしょうか。


リンゴジュースでカルキ抜き

ついでに、リンゴジュースを使って実験してみます。
濃縮還元の果汁100%リンゴジュースでカルキは抜けるのかどうかです。
ついで実験なので、今度は1リットルの水道水です。

1滴
すでに五個目が点滅状態です。

2滴
確実に五個点灯してしまいました。

3、4、5、6滴と点灯の間隔が早くなります。
10滴まで加えてみましたが
大きな変化はありませんでした。
リンゴジュースでもカルキは抜けました。
ロックシュリンプ水槽の足し水に使いましたが、
なんの問題もありませんでした。


トマトジュースでカルキ抜き

調子付いてきたので、トマトジュースでも実験してみましょう。
食塩無添加の果汁100%トマトジュースです。

今回は10リットルのバケツです。

1滴
三つが点いたままです。

2滴
やや遅いですが四つ目がぷるぷると点灯。

5滴
五つ目がぷるぷると点灯しました。

10滴
五つ目が確実な点灯です。

15滴
点灯間隔が早くなりました。

20滴
間隔が短くなる事はないようです。

念の為、30滴を加えた水にし、
市販ミナミとレッドチェリーのハーフの30cm水槽の水を半分換水。
同時に、F2・F3が居る30cm水槽の水も半分換水しました。
早くも換水で水位が上がった部分の汚れを集団でツマツマしています。
まったく問題ないようです。
翌日、翌々日と、調子を崩す個体も無しです。


ぶどうジュースでカルキ抜き

グレープ100%ジュースを使ってみました。
この日の水道水の塩素量は若干少なめでした。
四つ目のLEDが点滅しながら点き、最終的には点灯して落ち着く状態。

1滴では変化なし。
5滴で確実な点灯をしてしまいます。
10滴でも変わらず。
ブドウの果汁だと、かなり少なめで良い印象です。


パイナップルジュースでカルキ抜き

まあ、これも当然抜けるでしょう。
ということで、パイン100%ジュースを
テキトウに5、6滴垂らします。
予想より、点灯が遅いです。
他の果汁より1.5倍は必要な印象です。
20滴、30滴を加えて混ぜますと
普通に抜けました。
安心を見越して加える分には大きな差は無いかもしれません。

※これより上の実験、室温・水温ともに約12℃。
この位の温度だと、ミズミルの反応が少々にぶいですが、
エビの状態の変化もなく、有効に使えるカルキ抜き法に思えます。


お茶でカルキ抜き

そういえば、緑茶にはたくさんビタミンCが含まれているんだった、と気付き、
ちょっと実験してみました。
用意したお茶は、やや二番煎じに近いくらいのものですが、
こんな薄めのお茶でもカルキが抜けてくれれば御慰み。
この日の水道水も四つ目が点灯する塩素量でした。
気温、水温ともに約15℃。

8リットルの水道水に垂らして混ぜていきます。
1滴垂らすつもりが2、3滴落ちましたが、五つ目は点灯せずでした。
二番煎じではきびしいのかもと10滴まで落としてみます。
すると、ちょうど、ぷるぷるしながら5個目のLEDが点灯しました。
二番煎じと侮るなかれです。
かなり大量にビタミンCが残されているようです。
10滴程度でもカルキが抜けはじめます。
30滴も垂らせばじゅうぶん使用範囲内です。
おしげなく使える、最もお得なカルキ抜き方法かもしれません。

http://www.pref.mie.jp/SUISHITU/HP/sec_4_mame_2.htm
カテキンが残っていたのかもしれません。
このカテキンも塩素を除去する効果が高いようです。

ちなみに、一番煎じではビタミンCが多く出て、
二番煎じからはカテキン類がより多く出るそうです。
三番煎じでも全く問題なくカルキ抜き効果がありました。
ビタミンCとダブル効果が期待できるので、緑茶が最強かも。

日常的にお茶を飲む人、ペットボトルのお茶を常に買ってある人なら、
わざわざカルキ抜き剤を買っておく必要はなかったりするのかもしれません。
※ちなみに、麦茶では抜けませんでした。
パックの麦茶を煮出して実験してみましたが、全く抜けません。
煮出す時点でビタミンCが壊れてしまったのかもしれません。
そこに緑茶小さじ一杯を加えると見事に抜けました(^^)
御茶は御茶でも、麦茶は茶葉ではないので要注意です。

ほうじ茶でカルキ抜き

ほうじ茶で実験です。(一番煎じです)

5滴
ゆっくりですが五個目が点灯してしまいました。

10滴
五個の点灯が早くなります。

15滴
簡単に五個点灯します。

20滴、30滴と変わらずです。

緑茶の効果と大きな違いはありませんでした。
ほうじ茶にはビタミンCは少ないはずですが、
不思議なことにカルキ抜き効果はじゅうぶん過ぎるものがありました。
カテキン類とビタミンCの相互作用かも?

紅茶でカルキ抜き(2007・05・19追加)

インド産ダージリンで実験。
お茶や紅茶などは、出た濃さで結果が変わってしまうと思いますが
今回は、あまり苦くない薄めのものを用意。
10リットルの水道水に垂らしていきます。

5滴
四つ目が点滅しながら点灯。

10滴
四つ目が確実に点灯。

15滴
ゆっくりだが五つ目点灯。

20滴
グングンと点灯。

25滴
さらに一気に点灯。以降変わらず。

他の実験と大きな違いを感じない結果でした。
四分の一程度の換水に使用しましたが、問題なしです。
翌日に抱卵の舞い。(レッドチェリー水槽)


イチゴでカルキ抜き

新鮮なイチゴ一粒を絞って実験してみました。
8リットルのバケツに、イチゴをそのまま指でつぶして
したたる果汁を加えて混ぜていきます。
今回の水道水も、四つ目が点灯する塩素量でした。
気温、水温ともに約15℃。

イチゴには基準値をはるかに超えた農薬が
かかっている場合もあるとか

1滴
何の変化もなく、四つの点灯のまま。

5滴
ぷるぷると五つ目の点灯です。

10滴
かなり早く五個点灯してしまいます。
他の果汁よりも確実性が高い印象。

15滴
10滴の時の点灯よりもさらに早い五個完全点灯です。

20滴
15滴の時と変わりありません。

30滴
点灯スピードに変化なしです。

気温の違いもあるとは思いますが、新鮮なイチゴは強力です。
他の果汁よりも手応えがありました。
小粒の苺でも一粒絞ったら多過ぎるでしょう。


バケツ一杯の水道水に、
どれも20〜30滴程度加えるだけでカルキは抜けました。

その水を実際の水換えに使いましたが
なんの問題も起こりませんでした。
これはかなり使える塩素抜き方法と思います。

20〜30滴を数えるのは面倒ですので、
ティー・スプーン一杯程度と考えて良いかもしれません。
一杯でだいたい30滴前後になります。
スリキリだと40滴くらい。
少々少なめでも20滴はあります。
ティースプーンでこぼれない程度に普通にすくって30滴程度は入りますから
『バケツにティースプーン一杯』と憶えてOKな印象です。

微量の農薬が含まれるかもしれませんが、
30滴程度ですから、まず問題はないと思います。
(もちろん、無農薬を選ぶのが理想です)
とうぜん果汁が飼育水に入るわけですが、
これもやはり30滴程度ですので、
水質を大きく悪く傾ける要因にはならないと思います。

カルキ抜きを切らした時や、緊急で飼育水が必要な時などのために、
憶えておいて損はない技かと思います。
採集行の帰り等に誤まって水をこぼしてしまった場合などに、
駅の水道と自動販売機の100%ジュースが救いの神に見えそうです。
(雑草等の絞り汁でも良いかもしれませんが^^;)

勿論、普段の水換えに常用しても良いかもしれません。
庭にミカンの木があって常時実がなっていたり、
ベランダのプランターでイチゴ栽培をしていたり、
毎日、苦いお茶を一杯飲んでいたりするなら、
ずいぶんと身近なカルキ抜き方法の一つとなります。

※あくまで、一個人のおきらく実験です。
使用する場合は、自身で効果を確認して実行したほうが良いと思います。

 

ビタミンカルキ抜き
http://www.kyorin-net.co.jp/wave/wa07.html
ビタミンが入り過ぎて問題が起こる事はなさそう。

ビタミンCの多い食べ物
http://vitamine.jp/bita/bitac01.html
煎茶が圧倒的に多い。
お茶の中に全部抽出されるかは別問題ですが、期待の持てる数値です。
カテキンとタッグで安心感もバツグン。
(イチゴの手応えも頷ける)

カルキ抜き方法各種
http://www.pref.mie.jp/SUISHITU/HP/sec_4_mame_2.htm
要注目なのは、金魚や熱帯魚の飼い方でおなじみの
「汲み置くだけ」というカルキ抜き方法が載っていない事。
日陰に一晩汲み置いただけではカルキは抜けません。
この信じ難いほどの巨大なウソが常識化して、
至る処に転がっていますから恐ろしい話です。

参照⇒【汲み置き伝説のウソ
ヌカエビは特に塩素に弱いようで、
汲み置いただけの水での換水で死滅しかけた事があります。

 

2007/02/15 


 


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