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外来シナヌマエビ類の見分け方

人口密度に比例して、日本全国に密放流されて広がりを見せている外来カワリヌマエビ属の亜種たち。
シナヌマエビ、コウライヌマエビ、ノコギリヌマエビといったミナミヌマエビと近縁な大卵型のエビです。
在来のミナミヌマエビとの交雑の可能性も極めて高いことが明らかになっているようで、⇒専門機関の研究報告
元々、ミナミヌマエビが生息していた西日本では、本物は準絶滅危惧種に指定され始めている印象です。


インターネットで“ヌカエビ”を検索すると、上位に出てくる情報では、エビの外来種問題が認識されていないようで、
こんな↑外来シナヌマエビ類の写真に、ヌカエビの解説(かなり古い誤解含み)が付けられている事が多いです。
東日本では焼津以東にはミナミヌマエビは生息しない為、特に確認もされずに「ヌカエビ」とされることが多いです。

ヌカエビは頭に棘が無い事が他種との識別の中心的部分でしたが、
最近では、西日本の「ヌマエビ大卵型」もヌカエビである事が判明しました。こちらは頭に棘があります。
こうなると、ヌカエビとシナヌマエビ類は頭のギザギザの有無では簡単に見分けられない事になります。

体形の違い ヌカエビはクネクネ。シナヌマエビ系は直線的。

眼の特徴の違い 「眼の長さ」、「眼の生える角度」、「眼柄の太さ」

背中のハの字 ミナミヌマエビの仲間に多い特徴

シナヌマエビ類とヌカエビの模様の違い(メスの場合) 模様の濃い大型個体なら肉眼でも識別可

シナヌマエビ類とヌカエビの模様の違い(オスの場合) 透明度がやや高いですが、分かるものです

卵の大きさの違い 抱卵雌なら簡単

外肢の有無 比較的見え易いので、この有無の確認は最低でも欲しい

眼上棘の有無 これは見難いです。ちょっとした角度の違いで見えなくなります。

前側角部の棘 これもルーペ(100円ので充分)かマクロ撮影

 

※シナヌマエビ類は中国大陸や朝鮮半島や台湾など各地から輸入されるようなので、
当然ながら、完全に同じだと考えることは出来ません。
広大な大陸の各地域産が日本で雑種化し、ミナミヌマエビとも雑種化している可能性も大きいです。
日本のヌカエビについても陸封種で、各地で遺伝子が違うことが報告されていますし、
東北と関東と近畿では微妙に模様が違います。
「絶対にこのような違いである」という事ではなく、「このような傾向が有る」といった参考にどうぞ。

雄のシナヌマエビの脚は湾曲している←日本在来亜種ミナミヌマエビとの比較には有効なようです。


参照⇒【ヌカエビ
古い勘違いや、混乱を招く分類、スジエビとの混同などで、情報が滅茶苦茶なヌカエビ。
頭の中をきちんと整理して置いたほうが無難です。


2010/09/10 更新


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