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ロックシュリンプの飼い方


ロックシュリンプだけを飼って、その知られざる生態を楽しんでしまおうというコーナーです。
ロックシュリンプのみの健康、成長、繁殖を考えた、エビ専門サイトならではの極めて偏った内容になっています。
一般的な混泳飼育に比べ、飼育成功率、成長スピード、抱卵回数などの差は歴然です。
特に、繁殖行動の観察や、繁殖チャレンジには最適な飼育方法と思います。
ロックシュリンプのゾエア育成の成功というニュースは、
今のところ聞いた事がないので、もしかしたら世界初の快挙になるかもしれません。
産卵させること自体は、非常に簡単ですので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
オスが太い腕でメスをガッチリ独占して守る産卵行動も面白いですよ。

★追記:ロックシュリンプの繁殖は小卵型で海水が必要と思っていましたが、
小卵型でも海水が要らない純淡水繁殖らしいです。
"ロックシュリンプ" "繁殖" "質問"
で検索すると読めます。
個人的にも、眼で遠くから確認できるほどに育った浮遊幼生が、
高速でジャンプを繰り返して水草の中に消えていったのを目撃したことがあります。
餌と濾過の兼ね合いなどを工夫すれば、
稚エビいっぱいになるのかもしれません。
(ヌカエビよりは難しいとは思います。ヌカエビは勝手に殖えていますが、
はるかに産卵数の多いロックシュリンプが勝手には殖えませんでしたので)


ロックシュリンプだけを飼って楽しむ


アフリカンロックシュリンプの第三胸脚

たま〜に、熱帯魚のお店に入荷する大柄なエビ「ロックシュリンプ」。

甲殻類であることを主張するかのような武骨な鎧を全身にまとった重厚感たっぷりな姿。
そして水流に手を広げて餌を待っている面白い行動は、生息地での豊かな自然を想像させてくれます。
しかも、その大きな体はヤマトヌマエビやビーシュリンプとは比べ物にならない見応えがあります。
小さなエビでは味わう事の出来ない顔の表情や体のつくりまで、はっきり見えて迫力満点です。
それでいて、ザリガニのように獰猛ではないため、共食いしたり熱帯魚を襲うこともありません。

しかし、このロック君。
他の甲殻類の例に漏れず、その大きな体に見合っただけは食べる「大食らい」なのですが、
特殊な採餌行動のみが強調されて、「特にエサをあげなくてもよい」という説まで登場しているため、
長生きさせるのは、けっこうむずかしいものではないでしょうか?
最近ではアフリカン・ロックシュリンプなる15cmを超える巨漢も輸入され、
さすがに「ほんとに何もあげなくていいの?」と疑問に思われるようにはなったようですが・・・・・

ロックシュリンプの基本的な飼い方は、ビーシュリンプなどの他のヌマエビ類と大差ありません。
彼ら特有のおっとりさと不器用さに配慮して
黒色底のベアタンクでヌマエビ類の飼育の延長のように飼えば、
あきれるほど簡単です。
混泳させるのと単独で飼うのとで、ここまで難易度に差がある生き物も他に居ないのではないかと思えるほどの
見事な食いっぷりと、目を見張る成長っぷりを見せてくれます。
一度、このように飼ってしまうと、可哀相でとても混泳水槽には戻せなくなってしまいます。
混泳は○○に近い行為であった事に、すぐ気がつくことでしょう。
(エビを魚と混泳させるという事は、概してそういうものですが・・・)

ここでは、水槽のメインはあまり張っていないロックシュリンプを完全に主役に置き、
私の飼育奮戦記を元に、その飼い方を紹介していきたいと思います。

海の向こうから遠路はるばるやって来た「優しい大食らい」が、
少しでも長生きしてくれるよう、最大限に魅力を発揮してくれるよう、
このページがお役に立てば幸いです。



底面掃除に余念のないアフリカンロックシュリンプ。
この未曾有の大食らいに
砂利を敷いたうえで、餌を与えても、砂利の間に餌を掃き込むだけですから、
水質がもちません。
つるっつるの床にすると楽々飼えます。

ロックシュリンプの一般的な飼い方は有名で、
(私的には“飼い方”とはとても思えない。不確実性満載)
一度も飼った事がない人まで、とうとうと語っているのをよく見掛けます。
その一方で、実際に飼われた方からは、
「意外と難しい」
「プランクトンが発生する環境が整っていなければ飼うべきではない」
といった意見まで出ています。

ここで紹介する飼い方は、ロックシュリンプの飼育上の課題である「餌やり」を中心に、
その問題点や解決方法を独自に構築したものです。
結果的に、巷で謳われる「ふつうの飼い方」とは真逆である場合がほとんどになりました。
当然ながら、ロックシュリンプに主眼を置いた説明となりますが、
趣旨を理解して頂けましたら、その応用・発展で、飼育方法や混泳方法などの幅は広げられると思います。
(当たり前ですが、「死なさない確実に飼える方法」があって初めて応用ができます。
一般的な飼い方とされるものは、極めて偶然や運の要素が高いもので、
とても万人の水槽で万人が上手く行くものとは思えません。
そういう意味では飼い方の順番が逆です。逆側しかなかったので、それで飼われていた訳です)
混泳水槽で弱ってきた兆候(底床の表面をつまみながら、せわしなく歩き回り続ける)が見られた場合や、
成長があまりに芳しくない場合の体力回復策としても効果は絶大と思います。

この飼育方法の対象には、東南アジア産のロックシュリンプ(Atyopsis moluccensis?)と、
南米産のドンキーシュリンプ、そしてアフリカンロックシュリンプ(Atyopsis gabonensis?)が含まれます。
ミニロックシュリンプも、形態や生態に大きな違いはないと思いますので、
参考にして頂く事は出来ると思いますが、小型の個体はなかなか底面の餌を食べ歩かないかもしれません。
以前に、アフリカン“ジャイアント”ロックシュリンプの3cm程度の個体を飼育した事がありますが、
底面の餌に一切興味を示さず、結局、ベアタンク混泳水槽内で死なせた事があります。
小さな個体については、要注意かもしれません。

 

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