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ロックシュリンプ飼育に必要なアイテム

●スポンジ片

順調に飼育できているロックシュリンプを死なせる、唯一と云ってもよい死因が脱走です。
脱走につながる原因としては、
・水質の悪化・・・餌の与え過ぎ、個体数の入れ過ぎ、濾過機能の不備など。
・身の危険を感じさせる魚などと同居・・・・・ロックシュリンプは魚との混泳はかなり向かない。
・オスの闘争による、居場所の消失・・・・・小型水槽の場合、大型のオスは原則一匹が良いです。
・明る過ぎる場所に水槽を設置した場合・・・・暗い場所を求めて。
などがあると思います。

ロックシュリンプに限らず、上流域まで生息しているエビの仲間は
脱走に対して、自らの身の危険を感じている素振りはありません。
つまり、生息地でも普段から容易に行なっている行動に過ぎないのでしょう。

中流や上流域の川に何年も連続で行ってみると、
毎回景色が変わっています。
以前は魚の宝庫だった大きな淵が、たった一回の台風で砂地と化してしまったり、
楽々通れた沢が巨大な岩でふさがってしまっていたりします。
川の流れ自体が大きく変わり、見た事もない広大な中州が出来ていたりもします。
そして、魚やエビが閉じ込められた、大きな水溜りが出来ている事もあります。
まさに、この水溜りこそが、彼らが脱走を決意する水槽に近い環境と思います。

「川は生きている」わけで、常に変化する川にすむ彼らは、
そんな状況から脱出する方法は当然持っているでしょう。
干上がって、水質が悪化していったり、
これ幸いと水鳥がやって来たりする状態から抜け出そうとするのは、
ごく当たり前の行動でしょう。
少々乾きに我慢して脱出した先には、とうとうと流れる本流があり、
安らかに暮らせる場所があるのが自然なはずで、
まさか、自分が脱出した世界が小さなガラスの容器で、
その断崖から落ちた世界には水が一滴もない床や絨毯が延々と広がっているとは
思っていないわけですね。

というわけで、
ロックシュリンプは、躊躇なく脱走しますから、
こちら側で、とりあえずその行動はやめて頂く必要があります。
水質の改善や個体数の調節を完了するまでは、水の中に居てもらわなくてはなりません。

市販の飼育水槽には、ガラス蓋を置いたり、備え付けのプラスチックの蓋を乗せても、
必ず隙間があるはずです。
餌の投入口や、ヒーターコードの通し口、エアチューブやホースなどが通る為です。
そして、コードやホースが目一杯に隙間を塞ぐことはまずなく
必ず指一本や二本は通る隙間が残っているはずで、
これが危険です。
現場は見ていませんが、コードを救命ロープのように使って脱走するのでしょう。

さて、こういう穴を塞ぐ方法としては、自作で蓋を作るとか、
ネットのようなものを切って塞ぐなどもあると思いますが、
個人的にはスポンジ片が重宝です。
高さ5cm程度のスポンジを、隙間の形に合わせて、隙間の大きさよりも
かなり大きめに切ります。
正方形や長方形に切っただけでも、自由に曲がったり潰れたりして、
隙間の大きさに合ってくれるので問題ありません。
これを単純に隙間に詰めます。
上側と下側に同量が出る程度に、水面に触れないように詰めます。

これなら餌やりの時にも、スポッと抜いて餌を入れ、
またキュッと詰めるだけです。

食器用に使う真新しいものを用意できれば充分です。
柔らか過ぎず、硬過ぎず。好みに合ったものを選んで切って詰めるだけ。
たったそれだけで、干乾びて死んだロックシュリンプの顔を見なくて済みます。

2007/04/16

 


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