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夏の大嘘に要注意!

ロックシュリンプは川の上流に暮らす生き物だという事で、
夏の暑さには弱い生き物だとされています。
夏場に死んだロックシュリンプには、
・上流の生き物だから、暑さに弱くて死んだ
・上流の生き物だから、酸欠に弱くて死んだ
・上流の生き物だから、水質の悪化に弱くて死んだ
という理由付けがされますが、個人的には全否定です。
これらは、ロックシュリンプが短期で死んだ場合の言い訳として使われる事も多いです。
きっとそういう環境を与えなかったから死んじゃったんだと
納得させられたり、納得したり。
しかし、個人的には全く逆の理由だと考えます。
上流域の川のような、綺麗でゴミ一つない冷たい水にしようと努力すればするほど
彼らの死期は早まるのではないか。そんな気がします。
ロックシュリンプは「勝手にそういうことになっている」代表のような生き物ですから、
死因一つをとっても、よく自分自身で考えたほうが賢明です。

“簡単、簡単”と言われて買わされた挙句、
死んだ場合には、上記のような理由を述べられて、
飼い主側の過失を責められるといった例は多いのではないかと想像できます。
しかし、個人的には、これらの原因で弱った印象は一度もありません。
むしろ、高温には強い印象です。
酸欠は普通の強さ。
水質も特に考えた事がありません。
上流域の生き物だからクーラーを設置しなければ、といった特別待遇は要りません。
管理上で、そもそも上流を意識したことすらありません。
(そもそも上流を意識したセットでは水流に呪縛されて餌やりが出来ません)

夏に死ぬ原因は、ずばり「腹の減り過ぎ」でしょう。
ロックシュリンプは、水温が29℃くらいになると、食欲が止まりません。
常に「腹減った、腹減った」と歩き回ります。
この時期の餌の必要量は、25℃前後の時期と比べて、2倍かそれ以上でしょう。
この時期に、上記に並べたようなマニュアル通りに、
上流並みに水質や水温を維持しようと、水換えや掃除を多くするとどうなるでしょう?
それでなくとも、普段からまともに食べられているとは思えない彼らの水槽から、
ギリギリの食料源を全部ゴミとして放り出すことになります。
水中を漂っていた希少な浮遊物や、底砂の上にあった枯草のかけら、魚の糞。
濾材の中から落ちてくる僅かな浮泥。
これらが綺麗になくなります。
それでも、ロックシュリンプは“勝手に食べていられる御気楽な生物”という事になっているまま。
最も餌を食べる時期に、最も餌がない状態に置かれる。
これが数ヶ月も続けば厳しいのは当然です。
夏のロックシュリンプの死因は、一般には、
“上流域との環境の格差が開くため”と思われていますが、
個人的には“餌の必要量と供給量の差が開くため”と考えます。
この時期の管理の思い違いをすると、
ロックシュリンプを死なせる可能性は大きく上がることは間違いありません。
正反対の夏の乗り切り方ですが、
薄い水にして失敗していたという方は、
一度頭を切り替えてみると、上手く行くかもしれません。

※当然ですが、暑さ、酸欠、水の汚染に、全然へっちゃらという事ではありません。
濾過細菌の活動の低下や、水草の活性の低下、枯草の腐敗、餌の腐敗など、
高温に起因するような障害は普通に受けます。
水温は28℃を超えないようにするに越した事はありません。
※当然ですが、餌のあげ過ぎには要注意です。
たくさん食べるからと、調子に乗って与え過ぎて餌を積もらせて
水質悪化で死なせた事があります。

 

2008/07/03


2008/08/14 更新
2010/07/10 更新


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