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エビ飼育に(やや)有効な混泳魚1

ヌマエビ類を飼うならば、エビのみの飼育が一番安全です。
基本的にヌマエビ類は魚の餌ですから、エビは魚を嫌がるのが普通です。
絶えず魚に触角を向け、警戒と緊張を続けさせるのは大きなストレスです。
魚を入れなければ、繁殖に際して稚エビを食べられる心配がありませんし、
親エビであっても、脱皮の時に襲われることもありません。
ですが、エビ単独の飼育だと、本来なら魚に駆除される様々な招かれざる生き物が発生してしまいます。
これがエビに悪さをする場合や、大量に増え過ぎて、美観を損ねたり、不快になったりする場合も出て来ます。
そういう場合、一匹一匹手で駆除するのは大変なので、魚を使っています。

駆除対象の生物のみをきちんと処理してくれる魚種はなかなか見つからないものです。
小さな生き物の動きに敏感に反応して捕食行動をする魚(アピストグラマ、ベタ、グラミーなど)が、
害虫駆除に対して優秀な魚種ですが、これらはエビに対しても攻撃的なものが多いです。
エビ自体には興味を示さない魚種である事が重要です。
エビの死骸を与えてみて、突付いたり、咥えて千切ったりするなら、
まず、生きているエビにも攻撃を加えると思ってよいでしょう。
そして、エビに与えた人工飼料を食べない種類である事も重要です。
エビの餌をムシャムシャ食べて、肝心の害虫を食べないようでは使えません。
人工飼料になかなか餌付かなくて困るような魚種が打って付けで、
その中から、口が小さくて、温和で、テリトリーを主張しないものが理想です。

害虫の駆除に使う魚で、稚エビを食べない魚は、今の所、見つかっていないと思って良いようです。
ですから、混泳させるのは、大人のエビの水槽のみになります(あるいは繁殖は特に考えない場合)。
繁殖を目的とする場合には、入れられません。

※駆除実行中にはイトミミズやアカムシなど、生餌や生餌に準ずるものは与えません。
※駆除が達成されたら、早めに取り出すようにした方が、トラブルは少ないです。

●ピグミー・グラミー

ピグミー・グラミーを飼うなら、2匹以上飼うと「ココココ、カカカカ」と水槽を爪で
叩いたような声でよく鳴きます。5匹も飼うと、ちょっとうるさい?



この魚は頭の良い魚で、常に「つつくべきか、つつかざるべきか」を考えて突付きます。
採食行動をするヌマエビ類の手は小虫の動きにも似ているので、これもつつく大雑把な魚とは混泳できませんが、
このピグミーグラミーは動くものに何でも食いつくようなことはないので安心です。
薮蛇(藪をつついて蛇を出す)になるのを避ける為なのでしょうが、
この無駄なつっつきをしない性格は重宝します。
行動範囲も水面から底面全てに及び、狭い水草の間も、かわいい垂れ目の寄り目で丹念に捜索してくれます。
小さなプラナリアに対しての食いつきが良く、小型スポイトのような口でスポスポ連続吸引してくれます。
ただ頭の良さが災いして、抱卵エビの卵はしっかり餌として認識し、
卵のみを一個ずつ突付き取って食べるという技もこなします。
抱卵個体が居る水槽には入れられません。
エビに与える人工飼料には、全く興味がないようです。
弱ったエビ、死んだエビにも興味がないようです。

近似種のクローキング・グラミーも同様に使っています。
こちらの方が5cm位にはなりますが、性質は温和。

クローキング・グラミー
小プラ退治の最強キャラ。
ミナミ、ミゾレの成体サイズに興味が無いのも嬉しい。

カワコザラガイも食べるようです

特にロックシュリンプは、動作が鈍く、常に流木や地面に接して生活し、
体の甲羅の隙間が大きくて虫などが入りやすいのに、虫取りなど全く出来ない不器用な存在なので、
これらの虫取り魚は、かなり有益な混泳相手と思います。
もちろん抱卵した卵や孵ったゾエアは食べられてしまうかもしれませんので注意が必要ですが、
それ以外の時期には、ずっと同居させておいた方が良いかもしれません。

●クロメダカ

水面のユスリカなどにも効果あり。
水中をジグザグに逃げる稚エビは案外苦手。

エビに与えた餌も好きなので、毎日抱卵してます(^^;

エビに与えた人工飼料にも興味を示しますが、エビ団子を押し分けて噛り付くことはなく、
エビの吹き出した粉末を拾い集めるように食べています。
ミズミミズが大好きです。ケンミジンコも良く食べます。
ガラスに付いた小プラナリアも、ハフハフしながら嫌々ですが食べていました。
常に繁殖させておいて、1cmに満たない稚魚・幼魚を入れておくと予防に効果的です。
1cmを過ぎ、メダカらしさが出てくると、稚エビを食べ始めるかもしれませんので、
繁殖をさせるのが中心の水槽では、そろそろ取りだしが必要でしょう。
頻繁に産卵しているのですが、
エビが多い水槽では、水草に産み付けた卵をエビに食べられてしまうようで、案外殖えません。
卵を見つけたら水草ごとプラケースに移して、20度くらいの日光下で管理すると簡単に孵化します。

右の写真のように、メダカは産卵した後、しばらく卵をお腹の下に付けたまま泳ぎます。
これがクローキンググラミーには、御馳走に見えてしまうようで、抱卵したエビの卵と同様に狙われます。

※ここにあげた魚種は、現在のところ、大人のエビに対して大きなダメージを与える事はなかった魚種です。
私見のみなので、魚の個体差、繁殖行動などで、エビに害が出る場合もあるかもしれません。
効果に関しても、同様の効果が出る保証はありません。参考程度にお考え下さい。

【参照】
エビ飼育に(やや)有効な混泳魚2

【参照】
エビを食べていた魚(目撃談)

2004/03/04 


2004/05/24 カダヤシ追加
2006/02/03 カダヤシ削除(カダヤシは特定外来生物に指定されました)

 



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