ＣＲＳ（クリスタルレッド・シュリンプ）のオスメスの見分け方

ＣＲＳのオスメスの見分け方も、基本的に別項目の「エビのオスメスの見分け方」で見分けられます。
見分け方の詳細や注意点は、そちらの項目を御覧下さい。
ちなみに、ＣＲＳとビーシュリンプ（元祖BEE）は分類的には同種なので、
ビーシュリンプの雄雌の見分け方も同じです。

ヌマエビ類の中では、ＣＲＳは見分けが難しい種類のエビになると思います。
特にショップなどで長時間の観察が難しい場合は尚更ですね。
抱卵メスが居れば「メス」なのは間違いないのですが、それ以外の見た目でのオスメスの違いは、
ヒゲの長さ、腹節の甲板の長さ・広さ、卵巣の有無の三点が有効だと思います。
卵巣は透明な種類のエビほど見易くはないですが、発達した卵巣を持ったメスの背中を光に透かせると、
頭胸甲と腹節の境にまたがる背中の部分（背中の一番凹んだあたり）に大きな影が横たわっています。
オスは黒い背腸が一本、尾の先まで通っているだけです。


逆光にすると良く見える、ＣＲＳの雌の卵巣（黒い陰の部分）

ちなみに、エビを横から見た場合に、
目の後付近から頭胸甲の中心部分に見える影は内臓諸器官の集まりだと思われ、卵巣ではありません。
これはオスにもメスにも共通に見られます。

私の経験ですが、ＣＲＳに関しては、ショップにあった２、３０匹を観察したところ、
未成熟個体を除いた全ての個体にメスを確認できない場合がありました。
（ＣＲＳは比較的環境変化に強い若い個体の出荷が中心らしいです。寿命も短い生き物ですし）
エビはメスのみが見分け易いため、
見分け方が上手なお客さんにメスのみを買われてしまう場合も多いでしょう。
（正確に数えていませんが、生まれてくる雄雌の比率も３：１くらいで雄が多そうです）
こういう水槽から大きい個体のみをいくら購入しても、オスの確率が高く、繁殖が望みにくくなりますから、
この場合はオスメスが判らない状態（１ｃｍ程度）の未成熟個体の中から購入した方がいいでしょう。
出荷される段階に成長した個体は、１ヶ月もすれば性成熟します。

ＣＲＳは栄養状態が良ければ、雌で生後１００日前後、約２ｃｍ。雄で８０日前後、約１．５ｃｍで成熟すると思います。
卵巣を大きく発達させる必要が無い分、雄の成熟が早い様です。
仔エビの成長は意外と早く、グレードの選別などをするのであれば、１ｃｍを過ぎた程度までに行なわないと、
種用の雄の先を越される事にもなりかねません。

最初の産卵をするまでの未成熟な雌は雄とほとんど同じ格好です。
卵巣の発達もなく、腹節の膨らみもありません。わずかに第一触角の上側二本が貧弱かなという程度です。
（えびギャラリーのＣＲＳギャラリー０３参照）
ですから、オスのつもりだった個体が、暫くして次々産卵することもしばしばです。


なお、ヒゲの長さによる見分けは、慣れてくると極めて使いやすい方法でもありますが、
個体差、光の具合、成熟度（老成するほど長い傾向がある）、事故による欠損、などに左右される場合も多いですので、
ヒゲだけでの見分けでは雌雄判別の確率は低くなります。
他の見分け方との総合的判断にプラスして使用した方が賢明です。

３ｃｍ近い雄のＣＲＳ。
第一触角・鞭状部の上側二本が第二触角に迫る太さ・長さに発達。
基部は、四本ほとんど同じ太さに見えます。

かなり見分け易い、男らしい♂（左）と女らしい♀（右）の「顔」。
鼻先から上に伸びるヒゲの長さの違い、頭胸甲全体の丸みの違い（特に目の後ろ、後頭部？のライン）、
目の大きさなどに顕著な二次成長が見られます。奥の個体も雌です。
どちらの雌にも、頭胸甲のすぐ後ろの隙間に、ちらっと卵巣が見えます。
頭胸甲の後ろ半分が黒っぽい（卵巣の影？）のも目安になるかもしれません。
ここまで典型的な性差があれば、顔を見るだけでも見分けられますが、
中にはオス顔のメスも居ます。

上から見たメス達です。卵巣の大きさがそれぞれ違います。
オスを上から見た場合は、細くて黒い背腸が一本通っているだけで、
このような黒い太い影はありません。
（未成熟な場合や、産卵直後などで卵巣が発達していない雌にはありません）

※ここで紹介した見分け方は、あくまで私見ですので、実際の雌雄と一致する保証はありません。
参考程度にお考え下さい。

2002/12/01　岩

2003/01/07　更新、写真差し替え
2003/05/05　追記、更新
2003/08/07　雄のヒゲ写真追加＆こまごま追記
2003/09/04　卵巣写真追加
2003/11/04　雄の写真追加
2004/02/03　顔の比較写真追加
2004/06/24　上から見たメス写真追加

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