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ミゾレヌマエビ(本物)の「ワンバウンド模様」
ミゾレヌマエビに独特な、頭胸甲の側面の模様


個人的に重宝している、本物ミゾレヌマエビの見分け方の重要なポイントです。
研究者でもない限り、一般には額角の棘の数や、
目の上の棘の有無などは分かりませんし、調べる事もないと思います。
これはそんな視点から独自に編み出した簡単な見分け方です。
額角の長さや形状、眼上棘などを見れなくとも
この模様の特徴を押さえておくと、ミゾレヌマエビの見分けは随分と楽になります。
「ミゾレヌマエビであろう」と見当をつけるだけでも、あとの確認などが楽です。

【サンプル1】

非常に模様の多い個体です。


オレンジ色で示したこの部分に目立つ太い線があります。
これがまず第一に重要な線です。


次に、その線の下側から目に向かって伸びる斜め線があります。
これで、「目がワンバウンドしたような模様」になると思います。
これが個人的に「ワンバウンド模様」と呼んでいるミゾレヌマエビの基本的な模様になります。


ただ、個体によっては、
目の後ろから斜め下に伸びる上記の線よりも、
目の下からアゴのラインに沿って伸びる暗色の線が目立つ場合も多いです。
これはエビの体の深い場所にある模様のようで、
表面的な模様の因子とはまたちょっと違った由来を感じます。
(透明なオスの個体の場合は、むしろ、この線のみがよく目立つ)
一応これはワンバウンド模様には含めませんが、
その線のほうが目立つ場合は、臨機応変にそちらで見ても良いかもしれません。
この模様も、本物ミゾレヌマエビに独特のもので、
網で採集した場合に、この部分だけが良く見える事も多いので
採集時にはよく役に立ちます。


【サンプル2】

やや透明感のある個体です。
比較的若い個体と思います。


ワンバウンド模様がここに入っています。


目から下の深部にある暗色の模様も平行にあります。


【サンプル3】

さらに透明感の高い個体。
白い斑点も小さいです。内蔵や卵巣もよく透けて見えます。
薄い色で見づらいですが、色素胞が連なってワンバウンドを形成しています。


こんな感じに入っています。


【サンプル4】

模様が多めの個体です。
ミゾレヌマエビのメスは大型化していくと共に模様が増え、
体全体の赤味が増し、背中に真っ白なラインが一本通る姿へと変身していきます。
模様は多いですが、後ろ側の線はすぐに分かると思います。


途切れ途切れですが、同じ色の斑点で、目への跳ね上がりも見られます。


暗色の模様も途切れ途切れですが、この辺りにあります。


【サンプル5】

模様の色が暗緑色の個体。
ミゾレヌマエビの模様の色は、赤やオレンジ、レンガ色など暖色系が多いですが、
こげ茶色、暗緑色、青緑色なども見られます。


こんな感じにワンバウンドが入っています。


【サンプル6】

大型化して赤色化も著しい個体。
メスが辿り着く最終的な形態と色彩です。
模様は多いのですが、ワンバウンド模様はあっさりと分かります。

 


これは上の赤い個体と同じ個体です。
水温なのか、水質なのか、
ミゾレヌマエビはコロコロと体色を変えるようで
個体識別に苦労します。


色彩が変わり、白点の大きさも変わっていますが、
しっかりワンバウンドしています。


【サンプル7】

体色が非常に淡い個体。
抱卵もしていますが、卵も白いです。


【サンプル オス1】

ここから下はオスの個体です。
オスは透明で、メスに比べて著しくといっても過言ではないくらいに
小さい個体が多いです。
模様も薄めで、それが小さな体に入っている訳ですから
模様の確認は難しいかもしれません。


後ろ側の線は比較的見易かったですが、
目の後ろからの線は見難いです。
こんな位置に線状になりますが、やや強引な印象。


オスの場合、この部分に入る暗色の深い模様のほうが良く目立ちます。
目から涙が流れた跡のような感じです。


【サンプル オス2】

この個体も、目の後ろからのラインは発見し難いです。


暗色の模様と後ろ側のラインでワンバウンドです。


【サンプル オス3】

目から後ろの線は極めて薄いですが、
斑点となって並んでいます。


後ろ側はよく分かります。


暗色のラインも薄め。
オスの場合は、この暗色の深い部分の模様で見ても良いかもしれません。


【サンプル オス4】

オスの代表的な感じのワンバウンド模様。
目から涙のように斜め下に流れる太い線と
やや後方にある跳ね上がり模様。


【サンプル オス5】

これはクッキリなオスです。


【サンプル オス6】

濃い灰色の模様を持つ個体。
後ろ側の跳ね上がりのラインは明確。
前側は不鮮明ですが、目から斜め後方に向かって破線状にあります。
後ろの跳ね上がりの後方にある水平な二本線がよく目立っています。


【サンプル オス7】

かなり大きなオスです。
色が濃い時は、額角の下(第二触角鱗片の上かも)を黒い線が通ります。
それが喉元のラインと繋がって、一本の太い線にも見えます。
後方の撥ね上がりも濃く出ています。

おなじみの商品名の“ミゾレヌマエビ(正体はヌマエビ南部群)”との見分け方はこちら
参照⇒【ミゾレヌマエビとヌマエビ南部群の見分け方

 

参照リンク

ミゾレヌマエビの詳しい解説kenken's HP
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7766/kawaebi/ebisyurui/C.leucosticta.html

ヌマエビ属とヒメヌマエビ属の区別点
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi5.html

ツノナガヌマエビ
http://www.geocities.jp/go_ue/tinnebi/tinebigoten.htm

額角の様子
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/mizorenuma.html

市販のミゾレヌマエビはヌマエビ南部群
http://www.interq.or.jp/jazz/rhinoda/aqua/ebi2.html
商品名“ミゾレヌマエビ”はヌマエビ南部群である事が眼上棘で確認されています。

対馬のヌマエビ南部群
http://homepage3.nifty.com/sencyo/ebi/T1zoea.html
こちらも眼上棘で確認済み

キャメルシュリンプ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/department/kyamerusyurinnpu.htm
ミゾレヌマエビとして売られるのはヌマエビ南部群(別名キャメルシュリンプ)
<参考画像>の先に正式名称

 

2007/05/23


2007/06/13 ♂7追加

ミゾレヌマエビの模様の特徴はこちら⇒【ミゾレヌマエビの模様の特徴2007・11・06追記


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