眼の後ろを掃除しているヒラテテナガエビ。
テナガエビの仲間は、体の表面の手入れを頻繁に行ないます。
小さなハサミのついた第一胸脚でゴシゴシこするような動作も行ないます。
ヒゲの付け根や眼の付け根など、細かい部分も丹念に掃除しています。
ブラシのような太い毛が生えているのも、
掃除にぴったりなのではないかと思ったりもします。
参照⇒【ヒラテテナガエビのハサミ】
こちらはテナガエビの掃除。
第一胸脚は、背中側にも随分と曲がるものです。
一番後ろの歩脚も腹節を上から下へ撫でるように使っています。
甲殻類というと、体が硬くて不自由そうな雰囲気ですが、
関節をくねくね曲げて、器用に掃除するものです。
テナガエビやスジエビでよく見る驚きの掃除がこちら。
二本の第一胸脚を手前側の甲羅の隙間に差し込んでいます。
鰓の手入れだと思うのですが、
こんな体の中へ、平気で手を入れてしまうのです。
黄色の矢印の部分に差し込んだ手が見えています。
特に上側では差し込んだブラシの白い毛が、よく透けて見えています。
これが差し込むブラシです。
参照⇒【テナガエビの手の先、脚の先】
テナガエビ科とヌマエビ科の見分けで悩んだ場合、
こういう長い柄のブラシで、体中を掃除していたら、
それはテナガエビ科のほうで間違いないと思います。
甲羅の隙間に深く手を突っ込んでいたら、
間違いなくヌマエビ科ではないでしょう。
雄の長い腕の手入れは、見ていて面白い行動です。
小さなハサミのついた第一胸脚で丹念にゴミなどをつまんで取り除きます。
日本刀の手入れをしているかのようで、時間をかけて細かい部分まで行ないます。
大事なものを扱う印象がよく似ています。
2008/06/07 岩
2008/08/31 雄追加