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レッドチェリーシュリンプ07
先祖返り?(その二)


レッドチェリーシュリンプの水槽に突然現われた謎のエビたち。
抱卵を始めたので、取り出しました。
その数、34匹。♂24匹。♀10匹でした。
レッドチェリー同様、性差が顕著で、差の発現も早いです。
せっかくなので、もう少し詳しく調べてみました。
が・・・


体型的には見事にシンクロしています。
額角の長さもほぼ同一。短くもなく、長くもない「レッドチェリーサイズ」。


前側角部の形状も一緒で、どの個体にも棘はありませんでした。
日本産の「ミナミヌマエビ」ではない事は間違いなさそうです。
なぜ、このようなエビ達が、ほぼ一腹分、突然生まれてきたのか
今一つ、釈然としませんが、
レッドチェリーシュリンプの元となったシナヌマエビの一種の血は
かなり濃いのではないかと思います。

参考
シナヌマエビ類のMIXと思われるエビの前側角部
レッドチェリーシュリンプの頭部拡大

 


今回見付けたこのエビに最も際立つのが、腰の部分に入る「ハの字」のクッキリ具合。
シナヌマエビ類には、このハの字を持つ者は少なくないですが、
他の模様と混ざっていたり、ハの字も一個ではなかったりします。

しかし、この個体のものは、一個の「ハの字」のみがくっきり。
模様の無い周りの部分に忽然と太いハの字が浮かびます。
上から見ても、頭胸甲の横にある斑点がよく目立ちます。

このような特徴を持つシナヌマエビの仲間の画像がないか、
台湾産ミナミヌマエビの「ノコギリヌマエビ(別名トロピカルシュリンプ)」や、
海外では定着しているレッドチェリーの学名Neocaridina denticulata sinensisあたり、
そして、広義の“ミナミヌマエビ”あたりで調べてみましたが、
完全に一致するような個体には辿り着けませんでした。

http://park17.wakwak.com/~kabukabu/data-m_numaebi.htm
地と模様のメリハリは効いていますが、
肝心の「ハの字」が見られない個体。

http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/nokogirinuma.html
左上の写真とほぼ同一。
似た写真としては、
http://www.petshrimp.com/store.html
ここの2枚目。
http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/toropi.html
ぜんぜんトロピカルなイメージはない2種。
まぎらわしいので、シナヌマエビ側に「ノコギリヌマエビ」という名称をつけたそうです。

http://www.geocities.co.jp/AnimalPark/7630/tank/tank2.html
ちょっと分かり難い。点の位置は一致しそうですが、点が小さい。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~niwasaki/department/toropikarusyurinnpu.htm
写真は小さいですが、
「ハの字」は比較的明瞭。
さらに胸脚付け根の等間隔の線もあり、
その前の斑点もあります。
もっと良く見ると、
腹節下部の4つの斑点もあります。
特徴的な斑紋は全て一致します。
「ノコギリヌマエビ=レッドチェリーシュリンプ」の可能性が一歩リードか?
※しかし、トロピカルシュリンプは模様の少ない飴色のエビという印象もある。
まあ、市販名のノコギリヌマエビ・トロピカルシュリンプが
すべて同一種だけで構成されているとも思えませんので、この辺は難しいですが・・・・・・(^^;

 

ブルーシュリンプと同一種?

http://www.petshrimp.com/neocaridinaspblue.html
斑紋からすれば、このエビ達とよく似ています。
ブルーシュリンプに使っているエビも同一かもしれません。
※「BLUE SHRIMP」は、色揚げがされているのだろうという話。
子供には青い個体は生まれないというのは聞いた事がありました。
(メチレンブルーに浸けただけだったら面白いですが)

http://www.h5.dion.ne.jp/~bluechat/aqarium.htm
2世も3世も青くならないそうです。


http://homepage1.nifty.com/gebara/ebizukan/bluecha.html
1cmを越えると色が出るという話も。
額角からすれば、数タイプありそうです。(前側角部が見えない!)
色揚げするのであれば、最も安くて大量に居る身近な種類を青くすればよいだけですから、
必然的に、安価なシナヌマエビ系の透明なタイプが使われやすいでしょう。


http://www9.ocn.ne.jp/~ebi-505/newpage12.htm
濃い青から、茶褐色のものまで。
全体にざらっとした模様が多く、透明感は感じない。

 

まあ、シナヌマエビ類に探索の旅を行なっても、無駄に思えますね(^^;


レッドチェリーシュリンプが、赤い“紅サシ”状態で自然界で爆殖しているというのは、
生存競争から見て大マイナスなので、個人的にはナンセンス。
おそらく、現地ではこのような目立たない色や模様の原種で、
生活しているものと思います。

ノコギリヌマエビ(トロピカルシュリンプ)が普通に販売されている現在、
レッドチェリーの先祖返り個体や現地採集の原種が
“ミナミヌマエビ”などという名称で普通に飼われている場合があっても、
なんら不思議はないと思うので、
案外、赤くないレッドチェリーは身近に存在しているのかもしれません。

 

2006/09/02

 

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