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ロックシュリンプのガーディング
〜雄の腕が太くて長い理由〜


1.抱卵の歩


ロックシュリンプの雌の脱皮殻を見つけたので、
どの雌が脱皮したのかなと水槽を覗くと、オーバーハングした水草に掴まる飴色の雌を発見。
手をすぼめたまま、擦ったり、舐めたりとエビの脱皮後特有の行動をしています。

すると、その雌の下で、雌に向かって近付こうと悪戦苦闘をしている雄がいます。
雌は水草の茂みのやや上の方に掴まっているので、
水草が苦手なロックシュリンプの雄は、水草に足を取られて、なかなか近付く事が出来ません。
やっとの思いで近付き、雄エビ特有の下向きの第一触角二本の間に雌を感知できるところにまで来ました。
しかし雌は特に大きく逃げようとする事もありませんし、雄もミナミヌマエビやヤマトヌマエビの様に、
泳いで雌に飛びつくような事もありません。

雄はもっと近付こうと、大きな腕(第三胸脚)を振りかざして、雌に触れます。
不器用な雄の腕があまり何度も触れると、少しずつ位置をずれていく程度で、
雌自身には大きな混乱は見られず、余裕で身繕いを続けています。

やがて雌が、留まりやすいスポンジフィルターに到着すると、
雄は雌の背中側から、長い両腕で雌を挟むような格好になりました。
やや小さめの雌は、雄の長くて太い腕の中に納まってしまうかのようです。
雄は、数十秒に一回ほど両腕を内側にきゅっきゅっと寄せて、
雌を挟むように二回刺激を与えます。

キュッキュッ

これをされた雌は、体(分かりやすく云うと“おしり”)をぷるぷるぷるとやや大きく震わせます。
これが何度も続きます。
「きゅっきゅっ」「ぷるぷるぷる」「きゅっきゅっ」「ぷるぷるぷる」・・・

プルプルプル

この行動を分かりやすく人間の言葉で喩えるなら、
「ねぇ、ねぇ」「だめ、だめ、だめ」「ねぇ、ねぇ」「だめ、だめ、だめ」・・・
になるでしょうか。

何度かに一回ぐらい雄は短い足も使って、雌の体を浮かせて仰向けにしたがる行動を見せました。
交接を促すような行動ですが、ことごとく拒否されていました。
一度、かなり雌と腹を合わせそうになりましたが、やはりうまくスルッと拒絶されてしまいました。


2004/05/24 

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【関連】⇒ロックシュリンプ・ギャラリー05『ガーディング(?)』

【関連】⇒
ロックシュリンプ・ギャラリー07『ガーディングから産卵への経過』


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