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前側角部の棘(その二)
レッドチェリーシュリンプとの交雑実験に使った、市販ミナミヌマエビ(シナヌマエビ類)の頭部


レッドチェリーシュリンプとの交雑実験に使用した“市販ミナミヌマエビ子孫”の頭部の拡大写真。
交雑実験水槽で生き残っていた雌は五匹前後。
どれも3cmに迫る大きさ。(レッドチェリーの雄は二匹残っていました)
大量に居る“チェナミ”の子供達の中で、
背中を黄金色に輝かせて抱卵し続けている個体も居ます。
その五匹の中から特徴的な個体を三つ。
この横顔の違い、とても三匹が同種とは思えません。

参照⇒【ミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプの交雑実験
参照⇒【前側角部の棘】 ←顔の部品名などもコチラ


●額角が短い。●前側角部に極めて小さい棘がある。
額角が第一触角柄部の半分程度までしかない個体。
「出刃包丁」といった感じの額角です。
前側角部も全体的に丸いですが、棘がポツッと一本生えています。


●額角が長い。●前側角部の棘がするどい。
日本在来の本物ミナミヌマエビに最も近いのではないかと思われる風貌の個体。
額角が長く「日本刀」のような感じ。顔全体の長さも長いのが分かると思います。
やや斜め前から撮った写真な為、手前の前側角部の棘が見にくいですが、
黒い色素胞が点在する部分を目の下から辿ると前に鋭く突き出ています。
(向こう側の前側角部の棘はバックが白なので良くわかります。それと対比した形で手前にも存在します)
ちょうどヒゲが目に掛かってしまっていますが、目付きも恐い印象を持たせます。
(Web上の日本産ミナミの目付きも恐い者が多い)


●額角が平たく、湾曲して反り上がっている。●前側角部には鋭い棘。
写真では柄部と混ざって分かり難いですが、額角は柄部先端に達していませんでした
額角が平たく、刃物に例え様がない形状です。
吻がやや上を向き、それに伴う様に額角も上向きに反っています。
顔全体の長さも短く、かわいいキャラクターです。
ただ、前側角部は意外なほど鋭く尖っています。棘も明確。


レッドチェリーシュリンプの頭部

たまたま生き残っていた五匹のうちの三匹で、こんなに違う個体が見付かるとは・・・
なんとも凄まじい混沌ぶりです。
実験当時はほぼ全部の雌が卵を抱えましたので、
これらミナミヌマエビの仲間達がレッドチェリーシュリンプと混ざる可能性は極めて高いです。
しかし、タイプ別・個体別の確実な追跡はしていませんので、
レッドチェリーシュリンプと交配しなかったタイプもあるのかもしれません。
これだけ明確にタイプ違いが生じていると、
同一水槽でも、タイプ別に独立して世代交代している可能性も浮かびます。

2006/01/18

 

※(追記2006・02・04) せっかくなので、残りの個体の写真も載せました続く


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