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ロックシュリンプ(♀)の脱皮



雌の単独での脱皮を見る事が出来ました。
この雌は飼育開始から5年4ヶ月を経過しています。
2ヶ月に一回脱皮するとして、最低でも30回以上は脱皮していることになります。
産卵に勢いがついていた時期は、
ゾエア放出後2日と待たずに脱皮産卵を繰り返していましたから、
その脱皮周期は1ヶ月だったのではないかと思います。(あるいはそれ以下)
そんな時期が2年ほど続きましたから、40回以上と考えて良いですし、
小さめの個体から飼っていた為、
その小さな時期の脱皮周期が早い事を考えると、
総脱皮回数は50回以上と推測しても足らないほどかもしれません。


卵巣に卵をたっぷり蓄えた雌の場合は、おそらくフェロモンの量が多いと考えられます。
さらに雌自らも雄を探しますから、そのような産卵前の雌には必ず雄が「護衛と独占」という形で付きます。
このあたりは、テナガエビとほぼ完全に一緒です。
しかし、この雌は、最近一年ほど全く産卵していません。
ソイル+小型ヌマエビ類との混泳で、卵巣の発達に届かないのかもしれません。
そんな産卵をしない雌には、雄の護衛が付き難い事は確かです。
護衛が付いていない脱皮前のロックシュリンプは、
近寄ってくる他のエビや魚、特に大きめの魚に極端な攻撃性を見せます。
高速で突進パンチを浴びせます。
普段のおとなしさからは想像できない、魚もびっくりな素早く正確な突進です。
結構な距離を追い回すので驚きます。


安心できる場所を確保すると、足場のフックの確認をします。
体を斜めに振って、爪の効きをチェックするのは雄の脱皮と一緒。
雄の脱皮で、なぜか同性なのに雄が護衛?に付いていた事もあります。
脱皮が終わるまでずーっとそばに引き寄せられている事がありました。
互いの脱皮を傷付け合わないという、
大型の甲殻類では珍しく安心な生き物です。
「脱皮=食害」というエビが多い中で、まったく心配がないのがうれしい種類です。
小型ヌマエビ類に見られるような過剰な交接状態に置かれる事もないので、
脱皮にかかわる心配事はゼロです。


手脚が全部脱げると、あとは大きくジャンプして尻尾を脱ぎます。
この後、雄が遅れ馳せながら護衛をしていましたが、
産卵はしなかったようです。

ロックシュリンプの脱皮自体は全くもって珍しい物ではなく、
5、6匹も餌を豊富に飼っていれば、常に誰かの脱皮殻が転がっているものと思います。
特に硬い爪の部分の分解は遅いですから、殻の残骸の上にさらに脱皮殻が積もります。
しかも、殻を齧る習慣もないのでなおさらです。
正直、取り出すのが面倒なほどに脱皮しますから、
私は一度も取り除いた事はありません。
歩き回っている間に壊れて分解されてしまいます。
(アフリカンロックシュリンプの大きな殻はさすがにカビてしまったのでそれは取り出しました)

ロックシュリンプは脱皮回数も多く、しかも脱皮の兆候も分かり易いですし、脱皮に掛かる時間も長いです。
脱皮における共食いもないですし、その流れで産卵行動も簡単に見られると思います。
その上、長寿命で丈夫。餌の銘柄も明確ですし、餌やりも簡単。
大型甲殻類に多い「単独飼い」という規制もなく、複数飼いが極めて容易。
しかも体が大きい。
エビの脱皮を見るには打って付けのエビです。
(そう簡単に遭遇するものでもないですが・・・・・)

 

参照⇒【ロックシュリンプ雄の脱皮

参照⇒【ロックシュリンプ・脱皮から交接、産卵への流れ

参照⇒【なぜか雄の脱皮も守る雄

 

 

2009/03/22


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2009/03/22 更新


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