ヌカエビ(ヌマエビ北部-中部群)の模様の特徴 「ギャラリー02」
色の薄い個体です。
この個体にも前のページで注目した特異な模様が有ります。
色の抜けた部分と、その中に浮かぶ独特な黒い部分の配置です。
ヌカエビ(ヌマエビ北部-中部群)は、目が真横に離れたエビで、
この飛び出した目と、曲がった腰から、テナガエビ科のスジエビと混同される事も多い種類です。
この写真では、上側の目の付け根に「眼上棘」という棘が写っています。
眼上棘はヌマエビ科ヌマエビ属(ヌマエビ北部-中部群=旧ヌカエビ・旧ヌマエビ大卵型と、
ヌマエビ南部群=旧ヌマエビ小卵型=販売名“ミゾレヌマエビ”でおなじみのエビ)
に特有の棘で、他の種類には生えていないことになっています。
ですから、この「真横の離れ目」と「眼上棘」で、まずヌマエビ北部-中部群と分かりますが、
今回の話は、それらが見られない場合の見分け方として使える模様の特徴についてですから、
模様のほうを見ます。
ヌカエビの判別はまず目の離れ具合を見るのが簡単なので、
やや上からの写真だと簡単に分かりますが、
エビの写真は横から撮られることが多いですから、
そうなると途端に弱くなります。
「額角も見えないような横からの小さな写真」。これに対応できる手法の構築を目指します。
別の角度から見るとこうなります。
この模様を文字や数字・アルファベットに喩えるのは、ちょっと難しいです。
「ベルを手でつまんで持ち上げている」
そんな紋様です。
色の濃い部分を塗るとこんな感じです。
後ろ側も含めた模様として見るとこんな感じ。
「ベルをつまんだ手」と、その周りにある白い斑点による囲みが鮮明です。
黒い色素と仲の悪い白い色素も大きく広がっています。
この広がりに必要な領域を確保する為に、
色の抜けた部分があると解釈してもいいかもしれません。
この独特の模様が面白いです。
「チリンチリン」と鳴りそうな模様です。
2007/11/24 岩