ヌカエビでよく見られる、脱皮直前のメスの背中に乗っているオス。
オンブバッタの様にメスの移動に合わせて、オスもしがみついたまま運ばれていきます。
♂の背中の中央付近には、ミナミヌマエビの♂にも見られる貯精嚢・輸精管といったものが、
鞍を掛けたように白く透けて見えています。
こちらは別のメス。メスにしがみつくオスに、さらにもう一匹オスがしがみついています。
脱皮前のメスにしがみつく行動はミナミヌマエビでも数回見た事はありますが、
ミナミヌマエビの場合は通常の交接のフライングという形であるのに対して、
ヌカエビは、このまま15分以上もメスに引っ張られて移動していました。
ここまで長くおんぶし続けるのはヌカエビ特有。
ロックシュリンプの様にメスを独占しようとするオス同士の決闘などはありません。
※♀の額角先端にエビヤドリツノムシと思われる白い虫が付いていますが、
脱皮される直前に♂に移動するというおもしろい行動が見られました。⇒こちら
上の写真と同じトリオ。
エビは脱皮を終えたメスに、最初に辿り着いたオスが交接し、
その後のオスは拒否されるというのが通常のパターン。参照⇒【CRSの交尾】
ロックシュリンプのように完全に一対一な種類もあるくらい、
全体的にかなり貞操が固い生き物という印象を受けます。
この写真の二匹のオスも、その一番目のオスに成るべく脱皮を待っているわけです。
(しがみ付いてでも一番を取った個体の子孫が残りやすかった結果の積み重ね)
しかし、残念ながら、この後にメスの一跳ねでオスは振りほどかれ、
前のオスは後ろのオスにくっ付かれたまま立ち往生。
その間にメスは一匹で脱皮。
ようやく気付いた二匹が狂ったように舞い、一匹が交接。
もう一匹は拒否され続けていました。
【参照】⇒レッドチェリーシュリンプ♂
※レッドチェリーシュリンプの♂にも似たような行動は見られますが、
こちらは、血の気が多いだけな印象。
2005/06/12 岩
ヌカエビの詳細は⇒こちら