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日本産淡水エビの種類の見分け方(視覚的方法)
本土で常時暮らしている種類は、テナガエビ3種。スジエビ1種(正確にはA型・B型の2種)、ヌマエビ類8種のみ。
「淡水エビは難しい」は標本瓶の中の白くなったエビでの話で、生きたエビは視覚的に見分けは簡単です。
額角を顕微鏡で見る必要もありません。(虫眼鏡くらいは有ったほうが良いですし、マクロ撮影できれば完璧)
欠けている種類は、おすすめサイトで見せて頂くと良いと思います。

テナガエビ科

テナガエビ属・・・本土産は3種 見分ける必要のありそうな小型個体を掲載しています。成体は【写真館】で。

ヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエビ)幼少期は“ミ”模様、若年期は“虫食い(迷路)”。腰の白黒が目立つ。


テナガエビ ミナミテに似るが、歩脚や爪が長過ぎ、陸上を歩けない。mが崩れている。腰にスジがほぼ無い。


ミナミテナガエビ テナガと似るが、歩脚の爪が短いので瞬解。mも太く濃い。眼も立っている。


テナガエビ科スジエビ属・・・純淡水種はスジエビ一種(正確にはA型B型の2種がある)

スジエビ(おそらくA型) テナガエビ科なのでハサミは鼻先を越える長さ。ヌマエビ科ほど腸も太くない。


ヌマエビ科のヌカエビとの混同が非常に多く、同種と思われている事も多い。
参照⇒【スジエビとヌカエビ・良く似た写真集
参照⇒【スジエビとヌカエビの見分け方】テナガエビ科とヌマエビ科なので識別は本来なら容易
参照⇒【スジエビとヌカエビを背腸の特徴で見分ける】食性と消化管の違いは明確。透明なら尚更見える。


ヌマエビ科

ヌマエビ属 眼がほぼ真横に向く。眼上棘が有り、歩脚の付け根に外肢が生える。

ヌマエビ “ミゾレヌマエビ”として、物凄く有名。眼は真横。外肢・眼上棘も有るので明らかにミゾレヌマエビではない。

誤まりだが、他種とは“ミゾレヌマエビ”として普通に見分けられている。もはや常識にまでなっている深刻な誤情報。
胸の横にUFOが飛んでいるので簡単です。⇒こちら


ヌカエビ 透明で、腰が曲がり、眼が真横に出っ張るエビ。小卵型ではなく中卵型陸封種。純淡水繁殖。


ヌマエビとは模様も産卵形態も全く違う別種。西日本産の額角が同じだったので亜種とされていただけです。

スジエビとの混同が非常に多いエビです。
参照⇒【スジエビとヌカエビ・良く似た写真集
参照⇒【スジエビとヌカエビの見分け方】テナガエビ科とヌマエビ科なので識別は本来なら容易
参照⇒【スジエビとヌカエビを背腸の特徴で見分ける】食性と消化管の違いは明確。透明なら尚更見える。

外来種シナヌマエビ類との誤認は、今後、東日本各地で急増しそう。
参照⇒【ヌカエビとカワリヌマエビ属外来個体群(商品名ミナミヌマエビ)の見分け方


ヒメヌマエビ属 眼が斜め前に向く(大型雌はやや開く)。眼柄は根元まで太い。外肢・眼上棘無し。

ヤマトヌマエビ


トゲナシヌマエビ

画像の手持ちなし⇒【おすすめサイト

破線や点々の無いヤマトヌマエビ、といった感じのエビ。


ミゾレヌマエビ 模様が独特。眼は斜め前向き。情報的に隠蔽に近いので、積極的な学習が大事。


模様の規則性は一貫していますが、色彩の変化が激しく、同じ一匹でも七変化する⇒【ミゾレヌマエビの七変化
この一種類の変化を他種と混同すると滅茶苦茶になってしまう。この種を深く知る事が見分け向上のカギ。
ヌマエビを“ミゾレヌマエビ”として売る商品確立が高いので、こっちをミゾレヌマエビと認識し直せるかどうかが一つの山。


ヒメヌマエビ

画像の手持ちなし⇒【おすすめサイト

ミゾレヌマエビ(本物)の赤個体と混同しないことがポイント


ヌマエビ科カワリヌマエビ属 眼は斜め前。外肢・眼上棘無し。前側角部に棘がある。

カワリヌマエビ属の外来個体群←見分けの詳細
(輸入された観賞用の商品名ミナミヌマエビや釣餌用ブツエビ・タエビが密放流された外来種)

胸の横の複雑な模様。眼は斜め前を向く(大型雌はやや開く)。


“ミナミヌマエビ”を買ったら、100%これだと思った方が妥当。釣り餌ブツエビも同様。
シナヌマエビ類と本当のミナミヌマエビは見分けられない事になっていますが、見た目の雰囲気は違います。
現在ならまだ見分けられるぎりぎりの範囲ですが、今後交雑が進むと見分けられなくなって行くと思われます。
遺伝子を分析してみると、交雑している可能性が高い事が分かったようです⇒こちら


ミナミヌマエビ

画像の手持ちなし⇒【おすすめサイト

全体にスマートで格好が良いので、シナヌマエビ類とは一線を隔します。模様も違います。
準絶滅危惧種となりつつあります。(最初から分かりきっていたシナリオ)

予想される日本固有亜種ミナミヌマエビの生息範囲。
静岡県焼津〜琵琶湖以南。
琵琶湖に近年多く生息するのは、シナヌマエビ等の外来亜種。

http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/19310150/
ミナミヌマエビの生息地域内も含め、
中国産のシナヌマエビの類が密放流で大増殖しているようです。


全種ではないですが、各種の写真集はこちら⇒【エビ写真館

淡水エビ全般の見分け方の基礎や注意点はこちら⇒【見分ける前の基礎や注意点

 

2010/09/27 


2010/09/28 更新


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